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5.
離れた所にあるいくつもの点が全部くっついて線になるような感じだった。
いくつものパズルのピースが全部綺麗にはまったような。
スッキリするような感覚だけど、正直あまり嬉しくなかった。
この間初めて谷口さんの彼氏に会った。
バイト先の社員さんの彼氏になんて本来会う事なんてないだろうし、仲良くなるなんてそうそう無い。
谷口さんは俺より５歳年上だから、西村くんの友達が彼氏って事は５歳差のカップル。
歳の差カップルなんてどこにでもいるし特別珍しいものでもないけど、１９歳と２４歳って聞くと結構な差を感じた。
付き合って２年経つって言ってたから１７歳と２２歳。
正直大人と子供ギリギリの年齢に感じるその時代に恋に落ちて付き合った彼氏に興味が少しだけあった。
俺なら絶対に年齢差を感じてしまうし、大人な彼女に対して子供な自分に自信が持てなくなりそうな気がするから、俺が１７歳の時に２２歳のお姉さんと付き合うなんて想像もできなかった。
どんな彼氏なんだろう？
年齢の割に大人なんだろうか？
普段から年齢の割に可愛らしい谷口さんが、時折彼氏の話をする時はもっと可愛らしく見えて、本当に彼氏の事が好きなんだろうなって思う。
フラっと宴会場に入ってきた彼を見た時、可愛い感じだけどどこか少年っぽさが見える顔立ちの谷口さんの彼氏は正直俺より年下かと思った。
だけど谷口さんと並ぶと不思議な事に自然な感じの恋人同士に見えてお似合いだと思った。
迎えに来た谷口さんの仕事を手伝う嶋��くんと雑談するとやっぱり年相応な感じだった。
「拓哉元気？」
ニコニコしながら聞いてくる嶋��くんの問いは谷口さんと同じ口調で、なんか可愛らしくて、嶋��くんを見てると年齢って本気で好きだったら関係ないんだなって思った。
西村くんの話や他の内部生の話に目を輝かせながら楽しそうに聞いてた嶋��くんが麻美ちゃんの名前を出した時、一瞬目を見開いて視線をほんの少し斜め下に逸らしたのが、さっきまでの印象と随分違って見えて引っ掛かった。
さっきと変わらない感じで嶋��くんは話すけど、ほんの少しだけ声のトーンが落ち着いた感じに聞こえて、その声も表情も何かを思い出すかのように噛みしめてるような穏やかな空気は、最初の前のめりな明るい雰囲気とはまた違うマットな感じに見えた。
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作者名：あお | 作成日時：2024年2月5日 16時
