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旅行の夜に斗亜の気持ちを聞かされた時やっぱり両想いだったってわかって、恋愛はタイミングが全てなんだなって思った。
最初から何とも想われてないってわかってたら踏ん切りもついたのに、私への気持ちは変わらないまま斗亜の中にあるって思うとなかなかこの恋に区切りをつけれなかった。
斗亜が連絡先を全部消して私の世界から斗亜が消えたのに、それでもまだ区切りがつけれない私の気持ちはいつになったら新しい自分を受け入れれるようになるんだろう。
今年も莉子と拓哉がお祝いしてくれて４人でご飯食べに行ったけど、嬉しかったけど、隣にいるこたちゃんに斗亜を重ねてた。
だけどそれは今の斗亜じゃなくて、同じ制服を着てたあの頃の斗亜だった。
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周りから聞く事がなくなった斗亜の名前をまさかこたちゃんから聞くとは思わなくて、不意打ちも良い所だと言わんばかりに胸がつかえて、最近は流さなくなってた涙が零れた。
こたちゃんが最近始めたバイト先が、前に斗亜と拓哉が働いていたバイト先で、彼女を迎えに来た斗亜と私の話をするなんてそんな偶然があるのかと思うのと同時に、今の斗亜に忘れられてない存在だった事がわかって、いろんな感情がぐちゃぐちゃになった。
麻美、元気？
その言葉を言った時、斗亜はどんな私を思い出してくれた？
私はこたちゃんから聞いた時、斗亜の笑った顔が浮かんだよ。
私の知ってる、高校生の斗亜が笑ってた。
ずっと胸の奥がつかえてた。
もう表に出せない感情がどんどん隙間なく積み重なって、誰かに助けて欲しかった。
未練あってもええやん？それだけ好きやったんやから。
振られたらこれで終わり。
だけど好きって感じる感情に終わりなんてなかった私の気持ちを受け入れて肯定してくれるこたちゃんに更に泣けてきて、積み重なってた感情が少しづつ軽くなる。
自分自身には嘘がつけなくてこの恋の終わりを探し続けてた私に、そんな無理に探さなくて良いよって、溜め込まなくて良いよって、そんな風に言ってくれるこたちゃんに斗亜とのこれまでを吐き出すかのように口にした。
斗亜の事を全然知らない人に溜め込んだ気持ちをただ聞いてもらっただけなのに、なんか少し心が晴れて、こたちゃんの真面目なボケに心から笑えて、そこには少しだけ今までと違う新しい自分が居る気がした。
斗亜の居ない私の時間を、やっと少しだけ受け入れられた気がした。
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作者名：あお | 作成日時：2024年2月5日 16時
