明日の君に、僕ができる小さなこと (ページ15)

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誕生日にこたちゃんがプレゼントをくれた。
男の人から誕生日プレゼントを貰うのなんて中学の時に付き合ってた彼氏以来で素直に嬉しかった。

高校の時はみんなで一つのプレゼントやケーキを買ってもらったりはしたけど、こうやって個人で貰うと他の友達よりもやっぱり少し特別な感じがする。

プレゼントのヘアクリップは、私が好きな感じのデザインで、こたちゃんが一生懸命選んでくれたのを想像すると、自然と嬉しさから笑みが零れる。
莉子や拓哉がこたちゃんをからかうけど、こたちゃんはそんな事気にもせず、気に入ってくれた？って、私の反応ばっかり気にしてて、なんか純粋なその好意がじんわり胸に沁みる。

夏休みになんとなく２人で出かける機会が増えて、大学に入ってからの男友達の中で初めて気を張らなくていい人だって思えるようになった。

こたちゃんの運転する車に初めて乗った時、本当は少し緊張してた。
サラッと誘われてフラっと了承したものの、男の人と二人きりで出掛けるなんて考えたら本当に無くて、今までどんだけ斗亜中心だったんだろうって自分に失笑してた。

いわゆるデートを彼氏じゃないこたちゃんとしてるけど、こたちゃんはなんか斗亜や拓哉と居る様な空気を持ってて、出逢った頃は少し距離を開けてたのに、知らない間にそんなものは無くなってた。

時折こたちゃんから特別な好意を感じる事はあった。
自惚れじゃなかったらだけど。

でも、今まで告白してくれた人達みたいにそこからグイグイ来る感じも無く、かといって友達の範囲内ってわけでもない距離感で隣に居てくれる。
いつも私の些細な反応を見ながら上手く空気を作ってくれてる感じがして居心地が良かった。

仲良くなって、私がこたちゃんのここが良いなって思うのは、相手が誰でもどんな時でも感情の波が変わらない所。
プラスの感情は多いと思うけど、マイナスな感情の時もあるはずなのにいつも変わらない感じでいてくれるのが一緒に居て凄く安心する。

男の人と二人きりの車内だけど気まずくなったことは一度もないし、かと言ってお互い気使って話してるわけでもない。
そんな穏やかなこたちゃんと一緒に居ると、無理せず気負わず自然な感じでいられる。

きっとこたちゃんと付き合ったりしたら、こんな風に自然で飾らずにいられるんだろうなって考えたりもするけど、告白されたわけでもないし、こたちゃんが私の事を好きかどうかも本当の所はわからない。

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