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「拓哉元気にしてる？」
そう言う谷口さんは少し慌ててる感じで、多分いきなり谷口さんの彼氏の話をしたもんだから、急なプライベートの質問に少し動揺した感じを見せていた。
谷口さんから西村くんの名前が出た時思わず、谷口さんの彼氏って西村くんの友達ですか？なんて聞いてしまって、そんな完全プライベートな話をする俺に驚いたんだと思う。
西村くんと一緒にバイトしてた西村くんの友達が谷口さんの彼氏だって事は、以前話の流れで西村くんが言ってたからなんだけど、つい数分前までそんな繋がりがあるなんて俺も谷口さんもお互い思ってなかったから慌てて事情を説明したけど、急に彼氏の話されたらそりゃ動揺させるよなって、少し申し訳なくなった。
共通の知り合いが居るってわかると会話も増えて、麻美ちゃんの話や西村くんの話を楽しくしてると作業があっという間に終わった。
「また拓哉の話聞かせてな？・・・・あ、岡��くんもう上がって良いよ？」
週末の披露宴に使うナフキンを折り終えて谷口さんがそう言ってくれるけど、俺のバイト時間は後1時間近く残ってる。
「え・・・でもまだ1時間ありますよ？」
「うん、でもプレゼント買いに行くんやろ？いつも上り時間ちょっと超えても残業付けてへんやろ？・・・今日その分付けとくから早く上がり？」
明日明後日の土日は1日中バイトだから今日のバイト終わりの時間しかプレゼントを買いに行く時間が無いことに気付いてくれて、早上がりして良いよって提案してくれる。
「良いんですか？・・・・じゃあ・・お言葉に甘えて上がらせてもらいますね？」
「うん、土日よろしくね？・・・麻美さんに似合うの探してあげて？」
谷口さんの優しい提案に甘えてバイトを終え、駆け込んだ雑貨屋で悩みながら選んだのは、なんかキラキラがいっぱい付いてて華やかなのにシンプルな感じのヘアクリップ。
着飾らないのに明るく華やかな雰囲気の麻美ちゃんに似合いそうだなって俺のイメージ。
なんとなく谷口さんがつけてたヘアクリップに似てる気がしたけど、麻美ちゃんも谷口さんもなんとなく明るく華やかな雰囲気が似てるんだなって、手に取ったクリップを見ながらそんな事を思った。
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作者名：あお | 作成日時：2024年2月5日 16時
