明日の君に、僕ができる小さなこと (ページ13)

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授業の話やサークルの話、家族や友達の話。
好きな音楽とかドラマや映画の話も多かった。

流行りの曲も好きだけど、なんとなくメッセージ性のあるミディアムでも明るめのテンポの曲調が好みなのは俺と似ていて、そんな共通点を見つける度麻美ちゃんが近くなってる気がした。

そんな風にいろんな話をしたけど、なかなか話題にならなかったのは恋愛話。
結構ポピュラーな話題のはずだし、そういった話になる事もあったけどサラッと他の話になる事が多かった。

数少ない恋愛話で話してくれたのは、彼氏は中学の時に2人居た事。
高校の時は？って聞いたけど、少し悲しそうな笑顔を覗かせて小さく首を左右に振っただけ。

それ以上は踏み込んで聞くことができなくて、そっか・・・って返すと、それよりこたちゃんは？って俺への質問に変わった。

随分打ち解けて気楽な友達関係を築けているけど、きっとまだ麻美ちゃんの真ん中には届いてない。
だけど無理矢理抉じ開けて傷つけたくないから、いつか麻美ちゃんが俺の事を特別に感じてくれる距離感になれるように俺が出来る事はどれだけ小さな事でもしてあげたいなって、そんな風に思ってた。

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週明け誕生日の麻美ちゃんに何かプレゼントしたいと思って、夏休みから始めたバイトの帰り道に雑貨屋さんに滑り込む。

後期の授業が始まって2人で遊ぶ機会は減ったけど前よりはやっぱり距離感は近くなった気がして嬉しかったし、何かお祝いしてあげたいなって自然と思った。

いくつかのアクセサリーを眺めるけど、どれも彼女に似合う気がして選ぶのに時間が掛かる。

それでもさっきバイト中に社員さんに相談に乗ってもらってなかったら、何をあげるかすら絞れなかった。

社員の谷口さんは俺より少し年上のお姉さんで、気さくで可愛らしい人。
気になる子にあげるプレゼントってお題の答えを一生懸命考えてくれてる流れで麻美ちゃんや西村くんが映ってる写真を見せた時、西村くんの仲良しの社員さんが谷口さんだったことが分かった。

俺がブライダルのバイトを選んだのは数か月前に西村くんがお勧めしてたから。
どこのブライダル会社か聞いてなかったから、バイトし始めて西村くんに話した時にこの会社が西村くんの元バイト先だってわかったけど、どの社員さんが西村くんの仲良しの社員さんかまでは聞いてなかったから、谷口さんが急に身近に感じた。

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