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紗綾を信じる信じないの話じゃなくて、風雅への気持ちが消えるはずがないから。

わかった上で俺は紗綾と付き合っていて、俺も知らないうちに本気で紗綾の事好きになっていって、紗綾と仲良くしてるけど、俺の中のもう一人の俺がいつも言う。



こんな嘘の世界、いつまで続けんの?って。












付き合って一ヶ月、なんとなく風雅に言えなかった。
自分でも正直付き合ってる実感が無かったから。
結局紗綾はいつまでも風雅のもんって、俺自身がそう思ってるって事なんだけど。
だから風雅から、紗綾の彼氏が俺だって言われて急に実感が沸いた。馬鹿だけど。



琉巧に言われた言葉も結構くるものがあって、もっとちゃんと紗綾の事知らないとわからない事だったり、自分の勝手な想像で上手くいかないって決めつけてる事に気付いて、もう少し目の前の紗綾とちゃんと向き合って付き合おうって思えた。







「紗綾さ・・・・今風雅の事どう思ってんの?」



放課後に紗綾の家でゆっくりしてる所で不意に聞いてみた。
付き合ってからお互いなんとなく風雅の名前を出さなかかったから、紗綾は少なからず驚いてるようだった。





「・・・どうって・・・・特に」



少し眉間に皺を寄せて軽く目線を上にしながら答える紗綾の言葉は嘘じゃないんだろう。
返ってきた言葉に少し肩透かしを食らった気分にはなるけど。


「特に・・・これといっては無いって事?・・・前みたいに特別な幼馴染に戻りたいとか・・・思わんの?」
「・・・特別な幼馴染って何やろな?・・・会ったら普通に話すような関係には戻りたいなとは思うけど、正直言うとどっちでもいいかなって」
「前はあんだけ風雅おらんかったら無理って感じやったのに?」



ついそう言うと「斗亜の言い方ちょっと嫌や」って苦笑いされる。

「特別な幼馴染って思ってたし、普通の幼馴染よりは違う気持ちは今でもあるけど・・・」
そう言うとジッと俺を見てきて、よくわからないけど俺も紗綾を見つめながら首を傾ける。



「今は斗亜が居て、風雅の代わりとかじゃないけど、風雅が居なくてもちゃんと大丈夫って言うか・・・今までの彼氏にもなかった感じ?・・・ごめん、言葉にするん難しいけど、斗亜が居たら大丈夫って感じ?・・・・ほんまに風雅の代わりとかとちゃうんやで?それは伝わって?」






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作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

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