検索窓
今日:3 hit、昨日:27 hit、合計:5,514 hit

4 ページ4









――――――――――――――――――――――――






ベッドに寝転ぶと直ぐに睡魔が襲ってきた。


少し前までは目を閉じると紗綾の事考えてしまっていたけど、少し吹っ切れたのか諦めがついたのか最近はあまり考えなくなっていた。

だけど今日みたいに紗綾の話題が出てしまうとやっぱり考えてしまう。
それでも今日、紗綾と斗亜が付き合っているのを自分で口にした事で、今更だけど現実を直視した気分になった。
斗亜は気使ってないって言ってたけどこの一カ月近くかなり気を使われていたし、本人は普通にしてるつもりだったんだろうけど、ずっと気まずそうだったからこれで少しは気が楽になってくれたら良いけど。







あんな終わり方をして後悔した。



それを選択したのは俺自身だから、スッキリした気分と言い様の無い虚しさは日に日に増していっても堪えるしなかったけど、そのうちずっと誤魔化して逃げていた自分の感情を次第に見つめるようになった。







ただそれは、あの時自分の中の寂しさからお試しで付き合った萌の存在が大きかった。


なんとなく付き合った萌だけど、今までの俺を何も知らない彼女と一緒に過ごすうちに、俺の中の、俺も知らなかった俺に気付いていくようになって少しづつ今の自分を受け入れれるようになった。





最初はやる事やっちゃったしっていう多少の罪悪感で彼女の提案を受けたけど、彼女は意外と物事を客観視していて、俺にその気がない事も、一回限りの行為だった事も納得した上で俺にお試しを提案していた。

今まで何人か遊んだけど、大体が俺の言葉や行動を自分の良い様に解釈していて、付き合ってもないのに彼女だと思い込んでる奴とか、二番目でもいいとかいう奴とかいて、萌も同じだと思っていたから正直意外だった。

でもそれは以外でも何でもなくて、俺が今までの女の子に対してもその程度の興味しかなかったからそれ以上に気付かなかっただけなんだなって、萌と付き合ってなんとなくそう感じるようになった。



「風雅くんは優しいしちゃんと自分の考え持ってんのに誤解されるタイプやね?」

萌と付き合って割と最初の方に言われた言葉に「・・・そうかもしらんけど、そういうん嫌や。・・・俺まだお前に何も見せてへんのに俺の事わかってる風なんダルい」って、思った事を言った時の萌の返事が印象的だった。





5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。