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斗亜が部屋を出てって頭が真っ白になった。
あんな事言うつもりなかったのに、つい言葉にしてしまった。





信じてもらえない、私の気持ち。


今までの彼氏もそうだった。
好きって思ったから付き合ったのに「本当は好きじゃなかったでしょ?」って。






風雅が大事なのは確かだけど、風雅への気持ちと彼氏に対する気持ちは違うのに伝わらないし、最初は気にしないって言ってても結局は風雅への気持ちを疑われて終わる。

わざわざ俺の事彼氏に言うなって、いつも風雅に怒られるけど隠したくないし、自分を誤魔化すようで嫌だった。
大事なものや譲れないものって誰にでもあると思うけど、私はそれが風雅だった。


私の大事なものが自分と同じ男だからって、みんな自分と風雅を比べてしまう。
仕方ない事なのかもしれないけど、勝手に比べたくせに私の気持ちを信じてもらえないなんて、じゃあ私は風雅の事を隠して嘘をつき続けないといけないのか。






幼馴染だからっていつも隣にいてズルいとか、いくら仲良いって言っても限度があるとか、可愛いからって調子乗るなとか、いろんな男の気持ち弄んでとか。



幼馴染は隣に居ちゃダメとか限度あるとかって誰が決めたの?
調子にも乗ってないし弄んでなんかないのに、私の何を見てそんな事言うんだろう。

どいつもこいつも自分の価値観の中に私を当て嵌めては文句ばっか言う。
ヘラヘラするのも疲れるし、かと言って蓄積され続けた風雅との関係ももう拗れてしまって、今更風雅の本心なんて知るのが怖い。




風雅を恋愛対象として見た時期に風雅は私をなんとなく遠ざけてた。
私の気持ちの変化に気付いていたのかはわからないけど、これ以上踏み込んだらもう幼馴染としても風雅を失ってしまうって思った時期もある。


その都度風雅に気持ちをぶちまけて答え合わせできたらこんな歪な関係にならなかったかもしれないけど、そんな事できなかった。




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作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

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