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こういう時、普段は友達のような今までとそんなに変わらない2人の距離が、一気に恋人のベクトルに向いて気恥ずかしくなるけど、斗亜の事が1人の男の人として好きだなって思う。

今の私の心の中を斗亜に見せたら、どれだけ斗亜が好きかわかってもらえるのになって、そんな事思いながら触れ合う唇に意識を向けてると、ゆっくり唇が離れて至近距離の斗亜が変わらず真剣な顔をしながら「・・・絶対風雅のとこ行かさへん」って言うから「え?・・何の話?」ってポカンとした顔で首を傾けると、は?え?って単語が斗亜の口から零れた。










・・・・・・・・・・・・・・







「・・・・なんやそれ。・・・・・風雅に騙された・・・」



公園のベンチに座って、昨日の風雅とのやり取りを話すと斗亜は両手で頭を抱えた。
その仕草が可愛くてつい笑ってしまったら「笑い事ちゃうし・・・ほんまに紗綾取られる思って焦ってんけど・・・・・」って、笑う私に思わず言った自分の言葉に恥ずかしくなったのか、少し赤い顔を背けて言葉が途切れる。





「他の人と一緒にしてごめん。・・・・私の言葉にならへん感情・・わかろうとしてくれて受け入れてくれたん・・・斗亜だけやで?・・・やのに、信じてもらえへんとか言ってごめん。・・・伝わってるって思ってても伝わりきらへん気持ちもあるのに、不安にさせてごめんな?・・・・もっとちゃんと斗亜といろんな事話したいし・・・私の斗亜が好きって気持ちは・・・疑わんといてほしい・・・」





私の言葉を顔を背けたまま黙って聞いていた斗亜がゆっくりこっちに向き直してくれたから、少し俯き加減で話してた私もゆっくり斗亜の方へ顔を向ける。

「ごめん。・・・いつまでも風雅に勝てへんってどっかでずっと思ってて。・・・風雅への気持ちと俺への気持ちは違うって・・・そう思ってんのに悲しませて・・・ごめんな?」


膝の上で両手を組んで少し眉を下げて謝る斗亜の言葉に小さく首を振る。



風雅のこと、きれいさっぱり割り切れる様な関係じゃないのに、その気持ちと斗亜への気持ちをちゃんと伝えてこなかった事を謝って「・・・ちゃんと伝わるかわからんけど・・・信じて欲しいから、私の気持ち聞いてくれる?」そう聞くと「・・・・うん。俺も、そういうのいちいち聞くんダサいって思って、わかったフリしててごめん。・・・ちゃんと聞くし、話してくれる?」


そう言って、組んでた斗亜の手が私の手に重なった。





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作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

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