憂鬱な僕２ (ページ25)

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「・・・・・昔さ？琉巧言ってくれたん。・・風雅と真剣に話してみたら？って。・・・ずっと向き合えて来れへんかったけど・・・・やっと自分がどうしたいかわかった」

私の言葉に琉巧は少し考える様な仕草を見せたけど「結局は自分の気持ちに素直になるんが一番楽やで」って言ってくれて、その言葉に頷いてると誰かが近づいてくるのが見えて、それが斗亜だってすぐにわかった。

遠目からでも何か怒ってるような雰囲気で「めっちゃ怒ってんな。・・・紗綾、大丈夫？」なんて琉巧に心配される。
昨日の斗亜もそうだけど、露骨に斗亜が怒ってる感情を見せるなんて今まで無かったから、本当は少し怖いけど、それだけ感情を見せてくれてるって思うと、ちゃんとしないとって思った。

岡﨑くんが傍に来た斗亜に声を掛けるけど、斗亜はその声に応えず見向きもせずに西村くんと岡﨑くんの傍を通り過ぎ、私と琉巧の前まで来て、一瞬チラッと琉巧を見るけど、その視線を直ぐに私に向けると同時に無言で私の手を引いて早足に校門から連れ出された。

引っ張られるように手を引かれながら後ろを振り返ると琉巧が笑いながら手を振ってて、全然笑い事じゃないって思った。

何にも言わずに手を引く斗亜の背中を見つめながら、なんて言えば私の気持ちが伝わるんだろうって考える。
考えるけど、わかってもらえなくても正直に思う事を伝えるしかないし、昨日斗亜に言った酷い言葉を謝りたかった。

意を決して斗亜の名前を呼ぼうとしたら斗亜が急に立ち止まって、慌てて私も足を止める。
学校近くの小さな公園の入り口で立ち止まる斗亜を後ろから少し見上げてると急に斗亜が振り返ってそのまま抱きしめられた。

「昨日ごめん。・・・ちゃんと言いたい事言わへん俺が悪かった。・・・いつまでも信じれんくてごめん。でも・・・風雅には譲らへんし」

そう言って抱きしめた身体を少し離してジッと私を見つめる斗亜の顔は真剣で、何でか泣きそうになる。
謝るのは私の方だし、斗亜がいつまでも私の事信じ切れないのは私がそう思わせてしまってるからなのに、こんな私を強く抱きしめてくれる斗亜が好きで、凄く胸が苦しくなった。

お互い見つめ合ったまま視線を逸らせずにいたら、斗亜の腕が私の後頭部に回ってきてそのまま引き寄せられて唇が重なる。

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