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「こんなとこで何してん？」
聞き覚えのある声の方を向くと琉巧が立っててホッとする。
他校の制服で校門に居ると、下校する生徒からジロジロ見られて居心地が悪かった。
何人かに声を掛けられるけど勿論知らない人ばかりで愛想笑いで誤魔化すけど、少しづつ人だかりが出来始めて困っていたから、琉巧が気付いてくれた事でめちゃくちゃ安心する。
この学校の知り合いは３人しかいないから。
琉巧は私の周りに出来た人だかりを上手く捌いてくれてちょっとした騒動が治まった。
「ありがとう琉巧・・・。他校の前で待つって恥ずかしいねんな」
「わざわざ学校で待ち合わせ？・・・こんなアホな事する奴おらんで？」
そう言ったと思ったら、何かを思い出したかのような顔をしてチラッと斜め後ろを振り返る。
「こんなアホな事する奴・・・・おったわ」
「おーい。誰がアホやねん」
琉巧の嫌味に該当したらしい人が琉巧に言い返してて、その隣の人が「まぁほんまの事やしな」なんて突っ込んでるのをぼんやり見ていると「紗綾ちゃん、初めまして」って小柄な背格好のイケメンが挨拶してくれる。
琉巧の後ろに居た西村くんと岡��くんは実際に会うのは初めましてだけど、周りから話を聞いてて知っている。
西村くんと同じように挨拶をすると「なぁ？ほんまに斗亜と付き合ってんの？俺めっちゃ紗綾ちゃんタイプねんけど？斗亜やめて俺にせん？」なんて冗談を言ってきて笑ってたら琉巧が西村くんの頭を叩いて、岡��くんが西村くんの頭を撫でる。
漫才のような間合いに更に笑うと「もう西村くんは黙ってて？・・・笑ってるけどまあまあ本気で言うてるから。あれ」なんて言われて思わず西村くんを見ると、岡��くんに抑えられながら手をひらひら振ってきた。
「で？・・・・どっちと待ち合わせ？」
「・・・待ち合わせちゃうねん。・・・・勝手に来た・・・・わけじゃないけど」
「・・・頼むし俺にわかるように説明して？・・・・ほんま相変わらずやな」
苦笑いでそう言われ、相変わらずって失礼やなって言い返して、ここに来た理由を説明する。
「・・・・そういう事か。・・・紗綾はもう良いん？・・・自分の気持ちはっきりしたん？」
少し心配そうな顔で琉巧が聞くけど私の気持ちはもうスッキリしていて、だからここに来た。
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作者名：あお | 作成日時：2024年1月9日 17時
