憂鬱な僕２ (ページ3)

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その日の帰り、斗亜に「紗綾と仲良くしてんの？」そう何の気なしに聞いてみると「あー・・普通に仲良いと思うけど・・・。なんで？」って逆質問された。

質問に特に意図はなく、何でと言われたらなんとなく聞いてみただけで理由を聞かれると思って無かったから、それに答える回答を用意していなかった。

隣をゆっくり歩く俺の顔をチラッと見ながら斗亜が話を続ける。

「・・・風雅ってさ。・・・ほんまに紗綾の事諦めたんかな・・・」
「どうやろ。・・・でも、今日の感じ見てたら吹っ切ってるように見えるけどな」
「・・・・ほんまにこれで良かったんかな？」

斗亜が何とも言えない顔で呟いた。

俺の勝手な解釈やけど、と前置きして「斗亜はさ・・・相手の事気にしすぎやな。斗亜の良いとこでもあるけど、もう少し自分勝手になってええんちゃうか？・・・風雅も紗綾も、ほんまは何思ってるかなんてわからんけど、紗綾は斗亜と付き合ってて、風雅もそれで良いって言うてるんが全てやで。・・・目に見えてわかるもんしかわからへん。例えほんまの気持ちが違ったとしても・・・それは斗亜にわからん事やん？やから、堂々と紗綾と付き合ってたらええんちゃう？」

そう言うと、黙って聞いていた斗亜は少し恥ずかしそうな柔らかい表情で「せやな・・・ありがとう」って笑った。

口に出さない相手の気持ちなんてこっちにわかるわけがない。
そりゃ雰囲気や態度で、言ってる事と違う感情を持ってるのかなって、感じる事はあっても正解は相手本人にしかわからない。

風雅は多分今でも紗綾が好きなんだと思う。
これは俺の勝手な想像。

だけど、例え風雅が今も紗綾が好きだったとしても、風雅の口から聞かない限りわからないし、そんなわからない想像の風雅の気持ちに斗亜が遠慮する事は無い。

結局は自分に素直に行動したもん勝ちだと思う。
あの時こう思ってたとか、ああしておけば良かったは、結果論だから。

本当に紗綾が好きなら、紗綾を自分のものにしたいなら、風雅が自分で行動して伝えないと何も始まらない事だと思う。

それでも紗綾を手放した事を後悔してるのは、俺も斗亜も感じてたけど。

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