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「うん。・・・普通に気になる。風雅の彼女の話なんて初めてやもん」


きっとこの言葉には特別な意味合いも無く、ただ単に幼馴染に彼女ができてどんな子なんだろうってだけの疑問。
俺が琉巧に彼女ができたって聞いても同じように思うような、そんなただの好奇心からくる疑問。のはず。




わかってる。






「・・・気になるんやったら本人に直接聞けば?」


勝手にモヤモヤして嫉妬してるのはこっちなのに、それを隠したくてつい素っ気なくなってしまったのは自分でもわかった。

隣の紗綾から反応が無くて、気になってチラッと横目で紗綾を見ると眉間に皺を寄せて困ったような悲しそうな紗綾の顔が見えて、罪悪感で胸がキュッとなる。





「・・・斗亜怒ってんの?」

そう聞く紗綾の声が少し泣き声で、益々後ろめたさのような感情にこっちが泣きたくなる。
だけどそんな紗綾に対して出た言葉は、別に、の一言で、自分にも紗綾にもイライラする。



「怒ってるやん。・・・風雅の事気にしてるから怒ってんのやろ?」
「気にしてへんし・・・気にしてんのは紗綾の方やん。さっき風雅に彼女居るって聞いた時めっちゃショック受けてたやん」
「あれは・・・ビックリしただけでショック受けてたんちゃうもん。・・・ほら、そうやって悪い方にばっか考えてんの斗亜の方やん」


言い合いになって紗綾が今にも泣きそうな顔になってヒートアップした感情が急に冷えていく。
だけど、ごめんの一言が言えなくて、紗綾の俺への気持ちを信じたいのにやっぱりどうしたって風雅への気持ちを気にしてしまう俺は器の小さいしょうもない男だなって自分にガッカリする。



黙ってしまった俺に、感情が昂ったままの紗綾から「斗亜も結局他の男と一緒なんやな。・・・好きって言うてんのに信じてくれへん」なんて言われて、今までのお前の男と一緒にすんなって思ったけど結局は紗綾の気持ちを信じ切れないって意味ではその通りで、でも悔しくて堪らず無言のまま立ち上がって紗綾の部屋から出て行った。






紗綾の家を出たけど最高にイライラしてて、このまま一人で居たらどうにかなりそうだったから琉巧に連絡すると、芹香と駅前のファミレスに居るって返ってきてそこに合流することにした。





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作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

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