憂鬱な僕２ (ページ16)

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さっきの会話で斗亜がまだ、俺が紗綾の事忘れてないんじゃないかって気にしてるのがなんとなくわかって、でも、もう紗綾は斗亜と付き合ってて仲良さそうなのにそんな気になるものなんかと不思議に思った。

確かに俺は紗綾が好きだったし、斗亜にはっきり口に出して言った事ないけど俺が紗綾の事を好きで大事に想ってたのはバレてるけど、紗綾との関係が切れた事も諦めた事も斗亜が一番知ってるはずなのに。

彼女がいる事もわかって、尚更安心してくれても良いのに、明らかに不満そうなさっきの斗亜の表情が胸に引っ掛かった。

人の感情なんて、はっきりくっきり分かれてるわけじゃないから、俺の今の紗綾への気持ちも正直曖昧だけど、俺はそんな少女漫画のようなご都合主義な結末なんて期待もしてないし、紗綾を取り返そうとも思わない。

そんな事を考えていたらご飯ができたと言われ、こんな微妙な空気で飯を食うのも面倒くさいと思いながらもソファーから起き上がってダイニングへ向かった。

普通に４人で飯を食ってて、さっきの不満そうな斗亜はどこにもいなくて、いつも通りの斗亜に正直怖って思った。
だけど、何も知らないおばちゃんを心配させたり気使わすのは嫌だから俺もいつも通りで話を合わせた。

こんな気使う晩飯なんて食ったことがなくて、腹は膨れたけど変な疲労感に襲われて、ご馳走様をした後早々に家に帰る事にした。
彼女と電話するからって言ったら３人ともあっさり納得してくれて、何も気付かれずに紗綾の家を出た。

家に帰ってもなんかモヤモヤして、何に対してモヤモヤしてんだろって考える。
思ってる事をちゃんと伝えれてない俺自身にも問題はある気はするけど、よくよく考えるとこれって結局は斗亜と紗綾の問題で、もう終わった幼馴染の気持ちの行方を気にしてる斗亜自身の問題のような気がした。

だって、過去に俺と紗綾がどんだけ仲が良かったとしても、今付き合ってるのは斗亜だし、俺はあれから一切紗綾と連絡も取ってなかったわけだし、俺の気持ちがどうだなんて関係ない。

周りの事ばっか考えて気にしいな斗亜らしいけど、もう俺は紗綾の何者でもないから、あんま俺に不満そうにするの止めて欲しいって答えが出た所で考えるのを止めた。

答えは出たけど、その答えもはっきりくっきりと綺麗に感情が分けられているわけじゃないのは自分が一番わかっているけど。

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