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急に聞かされた話の内容がいまいち頭に入らなかったのか西村くんは眉間に軽く皺を寄せて風雅を見てる。




とは言え、別に誰と幼馴染であろうといちいち言う必要があるわけじゃないし、風雅が謝るような事でもない。と俺は思う。
だけど、知ってて知らんふりするのも気が引ける内容ではあるし、実際西村くんが最初に紗綾の事を話題にした時、俺と斗亜は若干気まずかった。
だからこうして風雅が謝ってるのは、風雅自身も知らないフリをしていた事に罪悪感があったんだろう。





何とも言えない沈黙が続いたけど「・・・・もっと早く言うてーさ。・・・俺めっちゃ恥ずかしいやん?・・・斗亜が彼氏で?風雅が幼馴染なん?ガチガチで手出せへんやん。・・・・あ、でも斗亜付き合ったん最近やんな?ちょっと前までT高のイケメンと付き合ってたって聞いたし。・・・え、俺に譲ってーさ?」そう明るく陽気な感じで早口に話す西村くんは多分、この何とも言えない空気を読んでふざけてくれたんだと思う。


その西村くんに乗っかるように「・・絶対譲らへんし。西村くん諦めて?」なんて斗亜も笑いながら言ってるけどきっと本気で言ってんだろう。口元は笑ってるけど目は笑ってないから。




「てか風雅の幼馴染なん?仲良いん?」

話を斗亜から風雅に変えて西村くんが尋ねると「前は仲良かったけど、男グセ悪いしとばっちり食らうから斗亜に押し付けた。あいつ我儘やし俺の手に負えへん」



そう言うと、そのまま立ち上がって「眠いしもう帰るわ。・・・拓哉はそのメールしてる・・・なんとかちゃん?と仲良くしとき?紗綾は斗亜じゃないと無理」なんて言って食堂を出て行った。







風雅の後ろ姿を4人で見送りながら西村くんが「・・・なんか・・・あんま聞かん方が良い感じ?」って聞いてきて、主語が無くて何の話を指してるのかわからないけど「聞いたところで大した話無いで?」ってやんわりと釘を刺してみた。

「えぇーでも紗綾ちゃん会ってみたいし、今度会わせてや?」
「・・・・嫌や。わざわざ会わせたくない」


最後までふざけてくれた西村くんに斗亜が辛辣に返事をすると「斗亜って案外ヤキモチ焼きやな」ってからかわれてた。




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作者名:あお | 作成日時:2024年1月9日 17時

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