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「風雅!!待ってって!」
交差点で信号待ちしてると店から出て追いかけてきた紗綾に腕を掴まれた。
「なんやねん。もうお前の面倒事に巻き込まれんの嫌やねん。・・・早よ彼氏んとこ戻れって」
「もう別れて来た・・・。なぁ風雅?・・・こっち向いて?」
紗綾の言葉に思わず振り向いて「意味わからん・・・好きなんちゃうん?なんでいつもそんな簡単に別れてくんねん」って呆れ口調で返すと「好きやったけど・・・風雅より大事な人おらんもん」
そう言う紗綾の顔は真剣で、紗綾は俺を大事な人って言うけど、紗綾の思う大事な人っていう感覚が、多分俺含め彼氏達と違うから。
紗綾は付き合う彼氏に必ず俺という幼馴染がいる事を言う。
秘密にする理由が無いから、仲の良い幼馴染が居てよく遊ぶって話をする。
男友達くらいいるだろうと、彼氏も最初は特に気にも留めないのに、最終的には俺への嫉妬でだいたいが別れているのを知っているから、毎回紗綾に「秘密にする理由は無くても、聞いた相手が嫌な気分になるから俺の事をいちいち言うな」って言うけど紗綾は変わらなかった。
半月ほど前に紗綾がうちに来た時、彼氏と喧嘩した話をしてた。
喧嘩の内容は聞かなくてもわかっていて、どうせまた幼馴染の話したら喧嘩になったって内容だろうって思ってたらやっぱりそうだった。
「あのさぁ・・・お前、アホなん?たかが幼馴染やのに、わざわざ喧嘩するネタ作って何がしたいん?」
喧嘩して拗ねてた紗綾にそう聞くと「私の大事な物を大事って思ってくれへん彼氏やったら、好きでも続かへん。・・・風雅の事認めてくれへん彼氏は要らん」
これは俺の恋愛じゃなくて紗綾とその彼氏の恋愛だから、俺には関係ないし口出す事でも無いって自分に言い聞かせてきた。
本当はもっと深く自分の中にあるいろんな感情を掘り下げれば、俺の本当の気持ちも紗綾への気持ちもいろいろわかるんだけど、俺はそれをしたくなくて。
だってまたそれに気付いたらもう俺は今度こそ幼馴染として紗綾の隣に居れる自信が無いし、紗綾が俺を大切に想うそれとは違うから。
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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです!感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか? (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2023年10月11日 17時