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「・・・・ごめん。そんなん全然知らんかったのに、偉そうな事言うた」

謝ると紗綾は「風雅と幼馴染な事もやけど、斗亜と琉巧とも仲良かったから結構妬まれたんやで?・・・・でも、私の事で2人にも迷惑掛けてたし・・・・おあいこやな?」そう言って紗綾は笑うけど、全然笑う気になれなくて「・・・・それ、何で今まで言わんかったん?」って尋ねると「だってさ・・・・その子らも別に私が嫌いなんじゃなくて、風雅とか斗亜や琉巧の事が好きやから私に文句言うてるだけやん?・・・そんなん知られて、好きな人に嫌われたくないって思うやろうし・・・腹立つけど言う気になれんかった」って返ってきた。






初めて知る紗綾の中身に今までの紗綾のイメージが無くて正直戸惑ったけど、風雅さえも知らない本当の紗綾がそこに居て、気付けばさっき飲み込んだ感情が込み上げてしまって、つい口から零れてしまった。







「紗綾さ・・・俺と付き合ってみーひん?」
「・・・・・・・え?斗亜と?・・・冗談違って?」


自然と出たもんだから自分でも実感なくて、紗綾の怪訝そうな驚いた顔を見て、ジワジワと何を言ったかを理解して慌てた。



「あー・・・・冗談ちゃう・・けど。・・・ごめん、忘れて?」
「えぇ?そんなん無理やん。・・・・斗亜と付き合うとか考えた事なかったけど・・・斗亜って私の事好きって・・・思ってくれてるん?」


咄嗟に無かった事にしたくて雑になった返事に紗綾は食いついてきて、いらん事言うてしまったって思ったけど、どうせ気付いてしまった想いなら素直に言ってしまった方が楽になる気がした。


「そら好きやで?・・・でも風雅の紗綾って思ってたし、恋愛感情持ってたかって言われたらわからんけど。・・・・でも、紗綾のほんまの事聞いて・・・なんか勝手に口から出てしまってたわ」


驚いた顔で俺を見る紗綾に苦笑いすると、紗綾も目を細めて緩く笑った。



「そっか・・・・。でもそんなん言うたら私も斗亜の事好きやわ。・・・・・なんか想像したら楽しそうって・・・思った。・・・・・・・斗亜には何でか素直に言いたい事言える気がする。・・・・・付き合って・・・みる?」








まさか本当に紗綾と付き合うなんて思わなくて、そういう意図も無かったのに、流れるようにそういう展開になってる現状に戸惑いを隠せないけど、これも何かのタイミングなんかなって思って、さっき離した紗綾の手に自分の手を重ねてみた。







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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです!感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか? (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお | 作成日時:2023年10月11日 17時

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