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「昨日一緒に居た子、風雅くんの友達?」
ベッドの上で下着一枚の俺に、同じく下着姿の彼女が尋ねる。
名前・・・何だっけ。
「・・・幼馴染」
並んで寝転んでる彼女の方を見ずに一言だけ返すと「あの子・・・S女の紗綾ちゃんやろ?」って返されて思わず彼女の顔を見る。
「あの子有名やで?昨日アカウント消してたけどフォロワー数凄かったし、可愛いし・・・イケメンとばっか付き合ってんのに長続きせんから結構妬まれてるけど・・・」
そう言いながらモゾモゾと寄ってきて腕を絡め「知ってる?あの子、幼馴染が好きすぎて結局イケメンみんな振ってんの。・・・誰も風雅くんに勝てへんねんな?」って笑いながらキスしてくる。
「ほんまにただの幼馴染なん?・・・付き合ったりせーへんの?」
「・・・あいつの幼馴染好きは、ペットの犬が好きと同じやつ。・・・そのイケメンらが勝手に自爆してるだけやし」
彼女の不意打ちのキスも無表情で受け入れながらそう言うと「ふーん・・・で?風雅くんは?」って、なんか含んだ笑みを向けられて何となく居心地が悪い。
「・・・別に。・・・そういう関係ちゃうし」
「そう?昨日見た時付き合ってんのかなって思ったで?」
あんま知らん人に探られたくない腹の内を探られてる気分になって、絡めてきてた腕を解いて上半身を起こす。
「・・・どう見えたかは知らんけど。・・・俺らどっちもそんな風にお互いの事見てへんから、知らん奴らに好き勝手言われても知らんし・・」
言いながらベッドから出てバスルームに向かう俺の後ろをついてくる彼女が不意に後ろから抱きついてきた。
「・・・じゃあ私と付き合ってよ?」
彼女の口から出てきた言葉に、ごめんと言うと「即答?ちょっとくらい考えてくれても良くない?」って笑ってるのが背中越しに伝わる。
「・・・・風呂入る間考えるわ」
そう言ってやんわり彼女の腕を解いて一人バスルームに入った。
彼女には悪いけど、そんな気持ち全く持ち合わせてなくて、風呂から出たとしても答えはノーなんだけど。
彼女の顔や雰囲気はタイプなんだと思う。
どことなく紗綾に似てるのは、俺のタイプの基準がやっぱり紗綾って事なんだけど、似てるからって付き合ったり好きになるかってのは別なわけで、彼女と会うのは今日でまだ二度目で全然お互いの事知らんってか、わからないし、この時点で特に彼女にピンとくるものが無い。
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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです!感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか? (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2023年10月11日 17時