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俺も風雅と仲良くなってなかったら一回くらいは本気で紗綾の事好きになってたと思う。
そうなる前に、紗綾の歴代の彼氏や風雅との関係性を目の当たりにしたから俺の中では無しだった。
斗亜も多分そうだったんだと思うけど、風雅や俺よりも斗亜の方が甘えやすいから紗綾は斗亜によく甘えてた。
頭では恋愛対象外って思ってても、斗亜は割とチョロいから割り切れない部分があったんじゃないかなって雰囲気の時があった。
風雅と紗綾は勿論、斗亜本人も多分それが本気の恋愛感情だってわかってなかったんじゃないかなって。
仲良くしてても一歩下がって物事を見てしまう俺は、その微妙な３人のバランスに気付いていたけど、誰も何もアクションを起こすわけでもないし、当事者たちがそれで良いなら俺が何かわざわざ言う事じゃないって思って見てた。
今回風雅と紗綾がさっさと付き合えば良かったのに変に拗れてるもんだから、斗亜の中にあった紗綾への気持ちが無意識に出ちゃったんじゃないかなって、斗亜の話を聞いてそう感じた。
本当に風雅がもう紗綾の事諦めるならそれで良いし、紗綾もそれを受け入れて新しく前に進むならそれで良いし、まだ気づいてない自分の気持ちに気付いて斗亜が本気で紗綾を狙ったって別に良いんちゃうかなって思うんやけど、３人共結局優しいから相手の事ばっか考えて更に拗れそうなので、やっぱり俺は黙って見守るしかない。
横で他校の女の子とはしゃいでる西村くんと彪太郎との温度差が激しくて俺も何故か溜息が出た。
携帯を弄ってた斗亜が帰る準備を始めたから「斗亜も帰るん？」そう聞くと「んー・・・ちょっと」なんて歯切れの悪い返事が返ってきて、さっきから誰かと携帯でやり取りしてたから、きっと紗綾に呼ばれたんだろうなって推察する。
「斗亜・・・・」
思わず斗亜の名前を呼ぶと、なんや？って鞄を背負いながらこっちを見ずに言う斗亜に「・・・や・・さっきの・・俺は冗談で言うたわけちゃうで？」って口にすると、ゆっくりこっちを見て「・・・そんなん・・・今更やん。そんな気持ち・・・もう持てへん」
ほんの数秒俺を見つめた斗亜の顔は困ったように少しだけ眉尻が下がってて、もうそんな表情してしまうって事は既に本気やん？って、そう思ったけど、気付かない方がしんどくなくて済むんかなって思ったら、何も言えなかった。
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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです！感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか？ (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年10月11日 17時
