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急に抱きつかれて戸惑いながらもそれに応えるわけにいかなくて、ただただ頭を撫でながら「そんな事無いって・・・風雅は紗綾の事好きなんやから・・・泣かんとき？」って言って慰めると「さっき好きやって言われた。・・・私も好きやって言うたのに信じてくれへんかったん・・そんで、もう俺の事忘れてって・・・」
風雅ちゃんと言うたんや・・・
あれだけ認めなかった自分の気持ちを伝えたのに、紗綾の事信じへんのが、なんか風雅らしいっちゃあらしいけど。
せっかく上手くいくのに自ら可能性を潰してる風雅を思うと、それだけ関係性を拗らせてきたから、スムーズにいくわけないか・・・って勝手に納得してしまう。
かといって俺や琉巧が間に入った所で余計拗れるのも目に見えている。
「紗綾は・・・どうしたいん？」
・・・・・・・・・・・・
「終わった事って・・・・じゃあ俺が紗綾狙ってもええん？」
少し煽るように聞くと風雅は足を止めて隣の俺に身体を向け、ジッと俺の目を見る風雅の目は、少し苛立ってるようにも見えた。
「・・・好きにしたらええやん。・・・斗亜が紗綾に気あるなんて初めて知ったわ」
そう言いながら俺から視線を外すとゆっくりと足を進めた。
別に俺は紗綾が好きではない。
言い方に語弊があるけど紗綾を女として見てきてないから、そういう意味では好きではない。
中学で初めて紗綾を知った時めちゃくちゃ可愛いと思ったけど、それより先に風雅と仲良くなってたから最初から恋愛対象外だった。
風雅と仲良いから自然と紗綾も俺や琉巧に懐いてくれてたし、そういう意味では可愛いなと思ってたけど、紗綾イコール風雅の組織図が俺の中では出来上がっていたし、俺からしたらどっからどう見ても２人は両想いだから自然とそういった感情を紗綾に抱く事は無かった。
だけど、昨日の紗綾を見てたからか、風雅の態度に少し腹が立って、つい思ってもない事を言ってしまった俺に対しての返答に益々苛立った。
「後で返せって言うても返さんで？・・・紗綾のほんまの気持ち、ちゃんと聞かんでええねんな？」
そう風雅に言う俺の声は少し怒りを含んでて、数歩先を歩いてた風雅の足が再び止まるけど、こっちを見る事は無かった。
お互い数秒沈黙した後、風雅が呟くように口を開く。
「斗亜やったら紗綾の事泣かさんやろ？」
一言それだけ言って、今度こそそのまま教室へ向かった。
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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです！感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか？ (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年10月11日 17時
