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赤い顔して怒ってるような困ってるような悲しんでるようなよくわかんない表情で俺を見てる紗綾に歩近づく、とちょっとだけ肩がビクッとしたから「もうせーへんよ」って呟いて紗綾の前に立つ。



ちゃんと言って終わろう。
言葉より先に行動に出ちゃったけど、もう俺も紗綾も、こんな拗れてしまった関係から解放したい。




目の前の紗綾の頭をいつもみたいに撫でながら「いきなりあんな事してごめん」って言ったら、小さく紗綾が首を振る。
紗綾の頭を撫でた手でそのまま紗綾を抱きしめたら俺の腕の中にすっぽり入った。

こんな小さかったっけ?って思うけど、紗綾より小さかった俺の身長は気付けば紗綾を追い越していて、それだけの時間が流れてたんだなってぼんやり思った。







「俺さ、ずっと紗綾が好きやってん。でもずっとこのままで居たかったから気付かんフリしてた。・・・結局紗綾の事傷つけたり泣かせたりしたし、紗綾が俺の事そんな風に見てへんってわかってたから・・・ずっと言うつもりなかったんやけど・・・」



そこまで言ったら俺の腕の中の紗綾が顔を上げた。
そんな事無い、私も風雅が好きやでって焦った顔で紗綾が言う。


「・・・うん、知ってる。でも紗綾のは幼馴染として俺の事好きやねん。俺は女として紗綾が好きやってん。・・・俺ら普通の幼馴染よりも近くに居すぎてん。やから紗綾の恋愛が上手くいかへんねん」




伝え始めたらスラスラ出てくる紗綾を想う俺の気持ちに俺自身がビックリした。
あー・・俺ってほんまに紗綾の事好きで大事なんやって自分で言いながら思った。



「やから、紗綾は俺の事忘れて、ちゃんと大事にしてくれる人を好きになったらええねん」




何か言いたいけどなんて言って良いかわからない顔の紗綾に、今度は触れるだけのキスをした。
もう紗綾に触れる事もキスすることもないから。





抱きしめていた腕を解いて、紗綾の顔を見ずに再び手を引いて公園を出た。
少し大通りまで出て紗綾の手を離す。

「こっからやったら明るいし一人で駅行けるやろ?・・・もう一緒に帰れへんから」

そう言うと紗綾の顔はまた泣きそうになって口がへの字になってる。
だけど俺は振り切るように、ごめんな?って言って駅と反対方向へ足を進めた。





生まれ落ちた時から隣の家で隣に居た幼馴染は、この日、隣の家に変わりは無くても隣に居なくなった。






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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです!感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか? (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお | 作成日時:2023年10月11日 17時

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