憂鬱な僕

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俺はその聞き捨てならない独り言にかなりイラっとして、いつも言うてるけど・・・と前置きして「そりゃ俺の事知らん奴に俺の話するからやん。中学の時と違って俺らの事知らん奴と付き合うんやったらいちいち言わんかったらええやん？大体何でお前は毎回俺の話すんの？知らん男の話されて喜ぶ男なんかおらんで？幼馴染言うてももうそんな一緒におらんのやから、ちゃんと彼氏と向き合ったら？」



クルクルを止めてビックリした顔で紗綾が俺を見た。



「そもそもさっきの彼氏も・・別れたって言うけど相手は納得してんの？お前にしては珍しく長続きしてたんちゃうん？・・・てか、お前は一体どういうつもりで付き合ってんの？毎回毎回同じ理由で別れて、直ぐ彼氏作って・・・。俺の事大事って・・・想ってくれるんは嬉しいけど、それが理由で別れられても俺ももう困る。・・・・そんなんやったら最初から付き合うな。相手に失礼すぎるやろ」










紗綾には言ってないけど、高校に入っても何人かの紗綾の元カレが俺の所へやって来た。
大体が別れた後に、別れた原因の俺を見に来るって感じだった。俺は見世物じゃない。

紗綾は歴代の彼氏に俺の事をどんな説明してんのかって思って紗綾に聞くけど、仲の良い幼馴染が居るって話していると返ってくる。
そんなごく普通の説明で何でこんな事になるのか意味がわからないけど、紗綾が特別嘘をついてるようにも見えないし、俺としては紗綾がそう説明してるならそう信じるしかなくて。

でも、たかが幼馴染にそんな嫉妬心剝き出しで喧嘩を売るように来られても俺は何も悪くない。
だけど、別れた後に来るもんだから、俺は何も悪くなくても、何かすいませんって感じになるから、中学の時みたいにサラッと受け流すしかなかった。


結局は学校が離れても紗綾が隣に居なくても紗綾に振り回されていたけど、俺は俺で紗綾の知らない女の子達とそれなりに恋愛を楽しんでいたので、紗綾の面倒事に悩むような事は無かった。

だけど紗綾に一度も言った事無かったのは、きっとずっと俺の中の、紗綾を泣かさないって気持ちが無意識に紗綾を守ってるつもりにさせていた。









いつだって俺は紗綾に優しかった。と思う。

生まれた時から隣に居た紗綾にそんな声を荒げたり本気で怒ったりした記憶が無い。
多分、多少の言い合いや揉め事はあったかもしんないけど、紗綾の我儘やお願い事を嫌だと思う事なく聞いてあげていた。




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