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お前いつもこんなん食ってんの？って紗綾に言いながらコーヒーを飲むんだけど、いつものコーヒーよりも甘い感じがする。気のせいなんだけど。
はい、あーん。
紗綾が俺の目の前にフォークを差し出すけど、周りは女子ばっかでそこでそんなアホのカップルがしそうなそれをするのは気が引けたし、そもそも俺らはカップルじゃない。
絶対に嫌だと思いながらも、そんなカップルな事を紗綾とした事がなかったし、ニコニコ嬉しそうにこっち見てる紗綾を目の前にして嫌だと言えず、凄い嫌そうな顔をしながらフォークのそれを食べた。
両隣の女子の視線が痛い。
そんでもって俺の胸の奥もなんか痛い。
最近忘れてたその痛みはもう思い出したくないので、いろいろ甘くなったものを、コーヒーで流し込んだ。
ほんの少しだけほろ苦くて、でも甘い。
紗綾みたい。
俺が、あーんした事に満足して、そのままフォークで食べ進める紗綾はやっぱり楽しそうだった。
不意にポケットの携帯が震えて、どうせ斗亜か琉巧だろうなって思って携帯を取り出したら違った。
こないだ一緒に遊んだ女の名前がトーク画面の一番上に上がってて、別に悪い事してないけど俺的になんか気まずくて、紗綾に気付かれないように平静を装ってメールを開くと「彼女いたんだねー」と一言飛び込んできた。
見た瞬間店内を見渡したい気持ちに駆られたけど紗綾に気付かれたくなくて堪えた。
「何で？」と返すと「彼女の右後ろ」と返事が直ぐに返ってきてコーヒーを飲みながら紗綾の後ろに目をやると、携帯の画面に表示されている、こないだヤった女と目が合った。
わー、面倒・・・。
今日の食堂レベルでここから立ち去りたい。
だけどまだ半分ほどある紗綾の目の前のパンケーキを見つめながら紗綾の右後ろでニヤニヤしてる女に「彼女じゃないけど面倒やし知らん振りしてくれへん？」って送ると「良いけど今度デートしてね」って返ってきた。
文章の最後にハートがついてて更に面倒な気分になる。
あの女とはその日だけっていうか、向こうもそんな感じだったから、まあいいやって思ってたのに、なんか凄い弱み握られたみたいで気分が悪い。
今まで何人か彼女がいたけど紗綾に言った事は一度もない。
俺の事を異性の対象で見てない紗綾に彼女を紹介した所で特に何もないんだろうけど、何か後がいろいろ怖くて結局1人も紹介したことがなかった。
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あお(プロフ) - ぴのさん» 好みの書き方みたいで嬉しいです！感情移入しにくいかと思いますが、全作品、固定氏名で書かせていただいてます。それで良ければ最後まで読んで頂けると嬉しいです。 (10月13日 20時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 文才がとても好みなのですが、名前変換はできないよう設定しているのでしょうか？ (10月13日 14時) (レス) id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年10月11日 17時
