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私も岡��くんを意識したことは正直あるけど、やっぱり仲良しの友達のその先はなかなか想像できないでいた。
「麻美ちゃんって、嶋��くん知ってるやんな？」
ある日の授業終わり、校舎のフリースペースでゆっくりしていると、唐突に岡��くんから出た名前に何故か身体がグッと抑え込まれるような感覚と鼓動がわかりやすく強くなった。
私の失恋を知ってる拓哉や莉子は勿論だけど、高校からエスカレーターで進学した友達も暗黙の了解のように私の前であまり口にしなくなったその名前を、何の接点もなさそうな岡��くんから聞くとは思っていなかった。
「・・・斗亜の事？・・・こたちゃん知り合いなん？」
「そうやねん。バイト先の社員さんの彼氏で、こないだ彼女さん迎えに来てて仲良くなってん」
なんでこんなに胸が痛いのかわからないし、鼻の奥がツンと痛くなるのかもわからないけど「あー・・・こたちゃんのバイト先、ブライダルって言ってたな。・・うん、知ってるで？・・・最近は会ってへんけど」って、頑張って普通のトーンで返す。
「西村くんと友達って聞いてたし、麻美ちゃんの事知ってるんかなって聞いたら、仲良いよって言うてたから。・・・・でも、学校違ったらなかなか会わへんくなるよな」
独り言のような岡��くんの世間話に現在の斗亜を想像した。
私の中の斗亜は高校生のままだけど、岡��くんが話す斗亜は私の知らない今の斗亜。
学校帰りに彼女を迎えに行く大学生になった斗亜。
・・・そんな斗亜知らない。
「麻美ちゃん元気？って聞いてたで？」
その一言に、何とも言えない感情が一気に胸の中を巡る。
もうお互い知らない毎日を生きてて、私の事なんて忘れてるって思ってた。
「・・・・・麻美ちゃんが好きやった人って、嶋��くん？」
岡��くんがそう聞いたのは、我慢できなかった涙が零れてしまったから。
自分の感情なのに、涙が零れてしまった感情が何処から来たのかわからなくて自分自身に戸惑った。
岡��くんはジッと私を見つめたまま、ゆっくり頭を撫でて「・・・・涙止まったら、麻美ちゃんの好きなもん食べに行こ？・・・何食べたいか考えて？」って優しく笑った。
質問に答えない私に返事を促すでもなく、更に質問するでもなく、ただ、私の気持ちを穏やかに包むようなその言葉に、彼の人柄がよく表れてて、苦しかった胸の鼓動が次第にゆっくりとしたものに変わっていった。
next・・・
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あお(プロフ) - ムカイさん» 読みたいって言ってもらえて嬉しいです！エピソード的な話を書いているのでまた読んでもらえると嬉しいです！ (2月29日 11時) (
レス) id: 7bac3fb1cc (このIDを非表示/違反報告)
ムカイ - この先のお話が読みたいです！！！ (2月26日 12時) (レス) id: 5e364bf0e0 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ルーターさん» 感想ありがとうございます！次のエピソードも読んでもらえたら嬉しいです！ (1月19日 23時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
ルーター - 続きを楽しみにしてます！頑張ってください！！ (1月9日 23時) (レス) id: 5e364bf0e0 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - monaさん» 続きが読みたいって思ってもらえて嬉しいです。もっといろんな作品を作っていくのでまた読んでもらえたら嬉しいです！ (12月6日 13時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年10月11日 16時
