曖昧で不確かな未来と現在を生きる僕 (ページ45)

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45.

泣き疲れて目にアイスノンを乗せながら、心の底から後悔していた。
相手の気持ちを考えずに、余裕のない感情で彼女を傷つけた自分が許せなかった。

僕が拗ねて彼女がやんわりスルーするのはいつもの事だった。
いつもの事だから甘えてしまった。

今日はいつもと違ったのに。

一昨日、仕事の都合でデートをドタキャンした。
彼女が観たいと言っていた映画がこの日で公開終了だった。
本当はもっと早くに観に行くつもりで会う約束をしていた3回目のドタキャンだった。

仕事だから仕方ないと言ってくれてたけど、申し訳なさ過ぎて、なんとか時間を作って今日会った。
僕が急に時間を作ったから、彼女はバイトを同じ大学の男友達に変わってもらったと言っていて、この時点で僕都合で彼女を振り回していた。

大学の仲の良い数名グループの中の一人だという事は彼女から聞いていたし、僕が心配しないように、素性は明かせないけど僕という彼氏がいることもちゃんと話してくれていて、その男と友達以上の関係でないのはわかっていた。

さっき彼女が言った通り、お互い違う毎日を過ごしていて、僕がとやかく言う権利なんかないけど、僕との時間を作るのにその男に頼ったのが不満だった。

彼女への不満じゃない。
僕自身が彼女にしてあげれないことの多さの罪悪感だった。
そして僕ができないことをしてあげられる彼女の周りの男が羨ましかった。

罪悪感と嫉妬心で少しイライラした極め付けに、ドタキャンした日に行こうと言っていた、彼女が見たかった映画にその男と行ったと聞いた瞬間、我慢していた嫉妬心が爆発してしまった。

そんな事さえもできない自分と、いつでも隣で彼女のお願いを聞いてあげられる距離にいる男友達。

僕は最低な形で彼女を傷つけた。

自分の情けなさにがっかりし、熱かった目元が冷えてきてどんどん冷静になると、ここ数か月自分がいかに自分勝手だったか振り返った。