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それだけ彼女に甘えていたくせに、いつも大学の男友達と一緒にいることに嫉妬して文句を言った。
自分はいろんなことを我慢させておいて「そんなにいつも一緒にいれる人が良いんやったら俺なんかじゃない方が良いんちゃう？」と吐き捨てた。
彼女がその男と何もないことなんてわかってる。
僕の事を好きでいてくれているのもわかっていたのに、いつも一緒にいられない自分が悔しくて拗ねてしまった。
彼女も、僕がちょっと拗ねているだけでいつもの事だとはわかっていたけど、彼女も我慢していた何かが切れてしまったんだと思う。
「・・・そうするわ」
そう一言だけ言って僕をすごい冷たい目で見た。
つい口から出た嫉妬心は彼女を呆れさせたけど、素直にごめんが言えなくて「・・やっぱり普通の男の方がええんやん。全然気にせーへんみたいな事言うてても結局近い男が良かったんやん」
そう言い返した瞬間、思いっきり頬を叩かれた。いや、拳だったから殴られた。
女の子に拳で殴られるなんて想像もしていなかったし、思ったより痛かった。
でも人を殴ったことなんてないであろう彼女の手の方が痛そうで、右手を左手で覆って擦っていた。
「・・・そんなん・・・いつでも女の子に囲まれてるあんたに言われたないわ」
「アイドルやからしゃーないとか、そんなん知らんわ」
「それでも・・仕方ないもんは仕方ないから1回も文句言わへんかったし、会えへんのも我慢したわ」
「自分だけが仕事で大変って愚痴ってくるのに、私の相談や悩みはいつも上の空で全然人の話きいてへんやん」
今まで１回も口にしなかった彼女の本音が涙と一緒にポロポロ零れて、僕は茫然とした。
「斗亜には斗亜の毎日があって、私にも私の毎日があるねん。大学は私の日常やねん。それを文句言われる筋合いない」
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
