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ふと、ベッド横のサイドテーブルに３冊ほど雑誌が積まれていて、それが僕も載っているアイドル誌だという事はすぐにわかった。
売ってるものだから、彼女が買ってても何も問題なんかないけど、めちゃくちゃ恥ずかしくなって、いつの撮影の奴だったかと雑誌を手に取ってめくった。
めくりながら、彼女がこうやって僕が載ってる雑誌を買って見てるって考えると、なんかむず痒くて恥ずかしい気持ちになる。
「・・・勝手に見んといてよー」
彼女が戻ってきて机にケーキを置いた手で、僕の手にある雑誌を後ろから取り上げた。
彼女の手を目で追った先に、ちょっと拗ねたような恥ずかしそうな顔の彼女が怖くない顔で僕を睨んでて、そんな表情の顔はまだ見た事なかったなとか思ったら、自然と雑誌を取り上げた彼女の手首を掴んでた。
なんせ今日の僕はやばい。
もう平常心も理性もほぼ無い。
会わない反動がこんなにも大きいなんて思いもしなかった。
それくらい僕の中での彼女の存在がいかに大きいかを実感した。
胡坐を掻いて座っている僕にいきなり掴まれて彼女が驚いて僕を見たから、目を合わせたまま、なぁ・・・したいって口にした。
僕の言った言葉の意味が伝わり、彼女の顔が恥ずかしそうに赤くなって何か言いたそうに唇がかすかに動くけど、返事を待たずに立ち上がって彼女の手首を掴んだまま彼女の後ろのベッドに彼女ごと倒れこんだ。
あっという間の出来事に彼女の思考はあまりついてきてない感じで、やっぱり驚いた感じの表情をしている。
彼女に覆い被さり彼女の目に僕が映るくらいの距離で「・・・嫌やったら止めるし言うて？」と聞くと、数秒の沈黙の後、彼女の口が良いよと呟いた。
勢いで彼女を押し倒したけど、彼女が嫌なら踏み止まろうと頑張っていたギリギリの理性は呆気なく消えて、吸い込まれるように彼女にキスをした。
啄むような短いキスが、だんだん長くなって深くなって、唇を割って彼女の舌に自分の舌を絡ませる。
彼女の唇を息する隙間もないくらい塞いで口内を絡ませた舌で激しく掻き回す。
お互いだんだん苦しくなって、そっと唇を離すと２人の唾液が糸を引き伝う彼女の口から息が漏れる。
・・・ほんまに良いん？と、もう止められそうにないけど彼女に再度尋ねると、艶めかしい表情で「・・・私もしたい」と僕を見つめた。
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
