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待ち合わせた、大阪でも有名な水族館の駅でゆりちゃんを見つけた時嬉しすぎて、まだ僕に気が付いてない彼女を後ろから抱きしめた。
抱きしめた時彼女の首筋辺りから僕と同じ匂いがして、胸がグッと掴まれた気分になる。
「・・・・っちょっとー、心臓止まるから」
もービックリしたーって笑って僕の腕から抜けようとする彼女を、腕に力を込めてそのまま捕まえる。
抜けさせてくれない僕に、どうしたんー？と顔だけ後ろに向く彼女との目線が近すぎて、抱きしめている片方の手を彼女の頬に添え顎を固定させて、そのままキスをした。
キスというより彼女の唇を食べてしまうように自分の唇を薄く開け、彼女の唇に被りついた。
いつもは可愛いキスだけど、ここで僕を待ってたさっきの彼女が両手に息を掛けながら嬉しそうな顔しているのを見つけた瞬間から心臓がドキドキして気持ちが溢れて、触れたくてもう止まらなかった。
いつもなら怒ってくる彼女もそのままされるがままだった。
聞き分けが良いなんてことなかった。
現実的に会えないことは仕方がないから我儘言わなくなったし、不安もなかった。
だけど会いたい気持ちに変わりはなく、感じる感情には、仕方がないなんて関係なかった。
今めちゃくちゃ胸が痛くて苦しい。
会えて嬉しいのに、仕方がないと我慢して押さえていた気持ちが溢れすぎて、顔を見たら、もうダメだった。待てなかった。
数秒して、ゆりちゃんが頬に添えた僕の手に触れた。
やっと冷静になって、唇を離す。
「・・・いきなりごめん。ちょっと止まらへんかった」
「うん・・私も斗亜ってわかった瞬間泣きそうになった」
そんな素直な言葉聞いたら、ちょっと冷静になったのにこっちも泣きそうになって
「めっちゃゆりに会いたかった」
そう言って向き合い直って彼女が潰れるんじゃないかってくらい抱きしめた。
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
