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「斗亜・・・・彼女おるんか？」
「え・・・いや・・・いないっすけど・・」
唐突に聞かれた質問を上手く切り返せなく、否定はしたものの、大吾くんに通じるわけがない。
「そうかー斗亜もそんな子おるんやー。大ちゃんビックリやわー」
「いや、だから、いないって・・」
「そんな嘘付く気ないような返事されてもなぁ。・・・現場では相変わらずみんなでわちゃわちゃしてるし、最近斗亜とじっくり2人になることなかったから気づかんかったわ」
2本目のスポーツドリンクを取り出しながら、僕の返事を無視して話し続ける。
「顔つきが男なってるやんかー。・・・・もうやったん？」
今日何食べよう？なくらいのトーンで質問されて、口に含んでたドリンクを噴出した僕に、汚いなぁちゃんと拭けよって嫌そうな顔された。
「そんな初心な反応ってことは・・・まだか。チューくらい？」
「・・・大吾くんセクハラっすよそれ」
もう誤魔化せないとわかったので、肯定も否定もしなかった僕に、ええやん。誰かを好きになるって簡単で難しいで？と、僕の口周りを首にかけてたタオルで拭いてくれた。
「・・・誰も知らんの？Lilのメンバーにも言うてないん？」
「・・・・言うてないです」
「えらい隠すん上手いやんか。お兄さんメンバー誰も気づいてへんで。多分」
でも・・・とドリンクを一口飲みこんで、ペットボトルのキャップを閉めながら僕を見る。
「なるべくバレへんようにしとき。・・・足引っ張られることもあるしな」
大吾くんの言っている意味がわかるし、大吾くんは僕を心配し、気にして言ってくれているけど、いざ言葉にされると複雑な気持ちになる。
「俺はもちろん斗亜の足引っ張るでー。追い越されたらたまらんしな」
そう言っておどけてきたので「えー。マジっすか？追い越すんは身長だけにしときますんで、そんなん言わんといてくださいよ」と乗っかった。
「せやから上手いこと言わんでええねん。・・・勿論俺は誰にも言わへんし応援するけど、斗亜も彼女も悲しい思いせんように行動しーや？」
「・・・・はい。ありがとうございます」
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
