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秋から冬にかけて、いろんな先輩グループのバックに付くから、夏終わりから前倒しでレッスンの毎日だった。
それでも、僕のレッスンが早く終わる日や、彼女のバイトの無い日が合えば、駅でこっそり待ち合わせて一緒に帰ったり、どっちかの最寄り駅で少しの時間でも会ったりしていた。
彼女は学校終わりも土日も、空いてる時間ひたすらバイトをしている。
何にバイト代使ってんの？と以前聞いた時、趣味に使っていると返された。
何の趣味かすごく気になって尋ねたけど、内緒だといって教えてくれなかった。
僕の知らない彼女がいるって感じて何とも言えない気分になったけど、人間みんな他人なんだから言いたくないことの一つや二つあるし、付き合ってるからって何でも言わなあかんのは違うと思うとはっきり言われ、そりゃそうだと納得した。
言いたくないと言う人に、こっちが不安になるから言えって言うのは、相手の事を考えてないなと自然に思えた。
彼女の言いたいことは勿論納得したけど、気持ち的になんかモヤモヤすることを正直に伝えたら、まだ付き合って半年くらいやのに全て知ったらつまんないやろ？今はちょっと言いたくないけど、そのうち教えてあげるから今はモヤモヤしといて、と上手くかわされた。
以前の僕だったら、隠し事されているって勝手に感じて不安でいっぱいになっていたと思う。
でもそれは僕が感じる感情であって、彼女には関係の無いこと。
そして彼女は僕を傷つけたりしないって信じているから、内緒にされても何か理由があるのだと納得できるようになった。
無理なく、無理せず、でも遠慮なく。
そんな感じで僕と彼女の付き合いは続いてた。
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「斗亜、なんか随分大人になったなー」
なにわ男子のツアー本番前の休憩中に自動販売機で一緒になった大吾くんに言われた第一声。
「え？そうっすか？・・なんも変わってないですけど・・あ、身長？もう追い越しそうっすよ？」
「そんなマウントいらんねん。・・いや、冗談違って、雰囲気？・・なんやろ・・・そう言えば夏の舞台も途中から演技の感情、上手くなってたなぁ。・・・あ、ラジオもちょっと落ち着いて話してたなぁ・・・」
最近の僕を思い出すかのように、ぶつぶつ呟いて、自販機から取り出したスポーツドリンクを僕に渡し、舐め回すように見てくる大吾くんにドリンクのお礼を言いながらも、なんすか？めっちゃ気持ち悪いっすよ？と言葉を返す。
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
