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18.
「どっちがいい？」
「うーん・・どっちも似合いそうやし斗亜くんの好きな方で」
「えー、そんなん決められへん。どっちか言うて」
「面倒くさい男やな・・じゃあ・・ピンク」
「面倒くさいとか言わんでや。ゆりさんのセンスで選んでほしいんやん」
「わかったわかった。ごめんて。・・・・うん、斗亜くん案外顔がはっきりしてるし淡い色似合うと思う」
「ほんま？じゃあこっちにする」
映画が始まるまでの間に変装することにした僕達は、ビデオ通話の遠隔で買い物をした。
彼女の指摘通り、顔面丸出しで歩き回るのは難しいので着替えることにしたけれど、全身買うのは勿体ないし、かといって制服に帽子も変な組み合わせなので、上着を変えて帽子を被ることにした。
一緒に並んで買い物したかったけど、それじゃあ意味ないので、着替えるまで別行動を取った。
ビデオ通話でイヤホンで彼女と会話していると、隣にいなくても一緒に買い物をしている気分になって、これはこれで楽しかった。
なによりも、気まずくなりそうなスタートだったのが彼女の機転で楽しいデートになったのが嬉しかった。
ふと、昔の彼女とデートした時、手を繋ぐのを躊躇った僕に「せっかくのデートなのに楽しくない」と泣かれたのを思い出した。
できれば普通に歩きたい。悪いことしているわけじゃないのに手も繋げない。
そう思う気持ちもわかったし、僕だってそうしたかったけど、普通の事をしてあげれない事が後ろめたかった。
普通じゃない事を楽しんで、でもお互い無理しないで良いアイデアが思いつくゆりさんの発想や気持ちが嬉しかった。
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
