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「え？斗亜何してん？どういう事？」
携帯を返すも西村くんに質問され、さっき駅で起こった出来事を話した。
「めちゃめちゃおもろい事してるやん。コントよりおもろいで」
「おもんないわ。うっさいなぁ」
「え、俺も返しに行くんついて行こかなー。女の子見たいー」
「来んでええしほんま。やらかして恥ずかしいんやからやめて」
DKのノリで野次馬する気満々の西村くんを軽くあしらって舞台の準備を始めた。
正直恥ずかしい出来事でしかなく、これ以上相手に迷惑かけたくない。
ただ、西村くんが僕を心配して電話をかけてくれなかったら、携帯入れ違い事件の発覚が遅かったかもしれないので、心の中でお礼は言っておいた。
直接言うと、それを盾に着いてくるのは目に見えていたから。
西村くんは同い年でメンバーだけど、風雅と同じで入所歴が先輩だから、下の名前呼びではなく、入った当初の呼び方の西村くんのまま。西村くんは拓哉って呼んで欲しそうだけど、西村くんで定着してしまっているから自然と西村くんになってしまう。
関西ジュニアの中でも片手に入るくらいの整った顔立ちからは想像できない天然バカな所があるけど、同世代グループで誕生日が一番早いのと長男故のお兄ちゃん気質でしっかりしているから、いざという時は頼りになるし、心配して電話してくれたように本当は僕を心配して着いて行くって言ってくれたのはわかっていたけど、自分の不甲斐なさが情けなくて1人で要件を終わらせたかった。
それに・・なんとなくだけど、西村くんに会わせたくないなと思った。
何でかわかんないし顔もはっきり見てなかったけど、とりあえず彼女を他の人に知られたくない気持ちになった。
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作者名：あお | 作成日時：2023年4月10日 16時
