曖昧で不確かな未来と現在を生きる僕 (ページ2)

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大阪の中心エリアの駅は常に人が多く柱も多い。

連日の舞台の疲れのせいにしては駄目だけど、ほんの少し目を閉じてしまい、気づけば電車は降りる駅を後にしていた。
「わ、、、最悪」
思わず声がため息交じりに出てしまう。
慌てて次の駅で引き返したけど楽屋の入り時間は迫っていて、駅構内を進む足が自然と速足になる。
時間を確認しようとカバンから携帯を探すのに意識が向いていた僕が、柱に人が立っているのを認識したのは、思いっきりその相手にぶつかってからだった。
いや、ぶつかったよりは跳ね飛ばしてしまったくらいの勢いだったようで、僕も相手の女性も盛大に尻餅をついて、見世物のように周りの視線を集めた。

「ごめんなさい、、、大丈夫ですか？」
咄嗟に立ち上がって彼女の手を引き、彼女が立ち上がったのを確認しながら地面に落ちた携帯を拾い彼女に目を向けた。
携帯を拾うのに屈んだ僕の目に入ってきたのは膝がだいぶ見えるスラっとした生足。
制服のスカート短いなぁが感想。
目線を上げ、胸元くらいの長さの髪の毛先をぼんやり見つめながら、舞台でJKやってる恭平くんを思い出した。

「ほんっとにすいませんでした」

恭平くんのおかげで松竹座に向かっていたことを思い出した僕は、彼女の顔をしっかり見ることなく慌てて頭を下げ、彼女のリアクションを待たずその場を離れた。

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速足で松竹座に向かいながら、さっきの彼女の顔をぼんやり思い出してみた。
前を見てなかった自分が悪いので、申し訳なくて跳ね飛ばした彼女の顔をしっかり見れなかったけど、可愛かった、気が、する。
どうせならしっかり顔見とけばよかったなぁ。。。

そんな事を考えながらも気は焦っていて、焦ったままだと今日の舞台でミスしそうだから、気持ちを切り替えようとした矢先、携帯が鳴った。
着信音が鳴って僕は軽く動揺し、頭に？マークが浮かんだ。

なぜなら僕の携帯は通知音オフ設定で携帯音が鳴るはずがないから。

さっきカバンに突っ込んだ鳴り続ける携帯を恐る恐る取り出したのは、松竹座の関係者入り口の前だった。