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事件から１週間後。
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真っ白な病院の廊下を歩き、目立ちにくい一番端の病室へ。
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中にいる人が分からないように、ネームプレートは空白のまま。
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コンコンと２回ノックをすると、
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”入ってま〜す”と、間抜けな声。
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伊野尾くんが切りつけられたのは、左腕あたり。
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頭の中で膨らむ想像は、ぐるぐる巻きにされた包帯と、やつれた伊野尾くんの姿。
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そう考えるだけで、ドアを開ける手が震える。
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”誰ですか〜？”
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なかなか開けない私に、伊野尾くんが話しかける。
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／ｶﾞﾗｶﾞﾗ
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覚悟を決めて開けると、
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慧『おっ、Aちゃ〜ん！』
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怪我をしていない右手をひらひらと振っている。
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『伊野尾………くん、』
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少しだけ伸びた前髪と、セットをしていないからか、はねた襟足。
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慧『１人でここにいるって、結構退屈でさぁ〜Aちゃんが来てくれて』
『ごめんなさい、！………私のせいで』
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一番伝えたかったこと。
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精一杯頭を下げて、心からのごめんなさいを伝える。
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少しの沈黙と、ベッドから降りる伊野尾くんの”よいしょ、”という声と。
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慧『Aちゃん、』
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肩に軽く手をおかれて、向かい合う形に。
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慧『ここ、痛いよね』
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伊野尾くんの右手が、私の心臓部分に触れる。
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『えっ、………』
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慧『１人で、苦しかったよね』
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慧『ここ、俺よりも怪我しちゃったよね…、』
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トン、と胸を押される。
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慧『もう、……無理しなくていいんじゃない？』
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メイクをしていない素のままの伊野尾くんは、子どもをあやす大人のように。
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ふんわり笑って、私の中の不安を取り除いてくれた。
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はるちゃん(プロフ) - こちらこそ…！！ずっとずっと応援します〜♪(*´▽｀*) (2015年12月25日 1時) (
レス) id: fe56d9a204 (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - はるちゃんさん» はるちゃん！コメントありがとう(*´｀*)一夜漬け、嬉しいです／／そーなんだよね、伊野尾くんのタイミング！！(笑)ふふ、そう言ってくれて、書いててよかったなって思う(〃ω〃)ありがとう(^^) (2015年12月24日 9時) (レス) id: 3fa5c3465c (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - って思ってたけど（笑）最後にはとても優しくて、かっこいい伊野ちゃんで( *´艸｀) さすがあっちゃん！って思ったよ（笑）なかなか時間がなくて、読むのが遅くなっちゃうことも多いけど、これからも応援させてね♪ あっちゃんの小説�癸院�！！笑(長くなってごめん！) (2015年12月24日 0時) (レス) id: fe56d9a204 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゃん(プロフ) - もう読んだら止まらなくて、普通に一夜漬けしたよ（笑）今回も最高すぎた…///不器用な二人がすれ違いながらもお互いの大切さにだんだんときずいていく感じがもうたまらなかった///← 伊野ちゃんは最初はなんでこのタイミングに来るんだよ"(-""-)" (2015年12月24日 0時) (レス) id: fe56d9a204 (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - 冬涙。さん» 冬ちゃーん／／冬ちゃんに感想いただけると、なんだかすごく特別感なの………(。-∀-)わたしもちぃちゃん書くの、難しくて緊張したけど…！あはっ、慧くん活躍かっこよかった？………ありがとう♪今日たくさんコメくれて舞い上がっちゃうな(ノ´∀｀*) (2015年11月7日 20時) (レス) id: 3fa5c3465c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あつこ
作成日時：2015年10月2日 16時
