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夜明け頃、ふらりふらりと歩いている血だらけの男はあの風柱だ。
その腹からは大量の血が流れている。
柱ともあろう男が上弦でもない鬼と戦っただけでこんな深手を負った理由は1つ、仲間を庇ったから。
決して弱い鬼ではなかった為、仲間を庇っているうちに、攻撃されてしまった。
今の実弥の状態では、その場から距離のある蝶屋敷に行くのは厳しかった。
とりあえず体を休めようと自分の屋敷を目指す。
屋敷に着き、扉を開く。
そこで実弥はようやく気づいた。
その屋敷にはAが居るということに。
こんな自分の姿をみたらAはどう思うのか。
何故そこまで頭が回らなかった。
いや、大量出血で意識が朦朧としている状況なら当然か。
ドシャっと玄関に崩れ落ちる実弥。
いつものようにトトトと、小走りに駆け寄ってくる足音が聞こえる。
ダメだ。
実「来んなァ…」
実弥はかろうじてそう呟く。
『へっ?実弥さん?どうしたんですか!?』
襖のまえで、慌てたような声が聞こえる。
ただ事ではない実弥の声に、半ば過呼吸になっている呼吸の音を聞いて、Aが黙っていられるはずが無かった。
『開けますよ、さねみ…さん……!?』
Aは言葉を失う。
目の前には血を流している実弥の姿があったのだから。
実「A…」
ハァハァと荒い息を繰り返す実弥に、Aはどうしたら良いのか分からなくなってしまう。
『いや…なんで、実弥さん…いやぁ!』
ついには泣き出してしまうA。
『と、とりあえず応急処置しないと…!』
Aは部屋に戻って救急箱を持ってくる。
手当を始めようとするとするAを、実弥は止めた。
実「やめろォ…」
『…え?』
実「お前の手、俺の血で汚したくねぇ…」
『なにいってるんですか!!』
そう叫んでAは手当を始める。
重症の実弥は反抗など出来ない。
ポロポロと涙を流しながら、それでも手際よく手当をするAに、実弥は驚いた。
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ぴろぴろ - 夢主の誕生日と私の誕生日同じで草 (2021年4月1日 13時) (レス) id: 65d47dc8e6 (このIDを非表示/違反報告)
ロロ天Runa - 玄弥と絡みたかったけど!良い!あれデスね、神作を作る程度の能力ですね、うん、はい (2021年3月9日 15時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 面白かったです!また更新されるのを楽しみにしています!頑張ってください! (2020年4月15日 15時) (レス) id: 240037f69d (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - あ、やっぱり!零君愈史郎君に似てると思った!面白い!! (2020年4月15日 14時) (レス) id: 240037f69d (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 宇宙さん» ありがとうございます!!とても嬉しいです! (2020年2月1日 17時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年10月24日 22時