糖分46% ページ46
.
門番の方々の様子が急変した。
他の皆を食べ始めた。
バキッと骨の折れる音や、ボトッと肉の落ちる音。
充満する血の匂いに頭痛と吐き気がして。
頬に涙が伝って。
『どうして、皆、なんで…嫌、嫌ぁ!!!』
転がる死体が、さっきまで笑いあっていた人だなんて信じられなくて。
顔を覆ってお母様の部屋まで走った。
この頃は病状が悪化して、寝たきりだったお母様。
『お母様!!何が起こっているんですか!、、なんで、屋敷の皆が!!』
何が何かも分からず泣き叫ぶ私に、お母様も叫んだ。
「…泣いてはダメよ、A。涙くらい、堪えなさい。早く逃げて!逃げなさい!」
お母様がこんなに叫ぶ所なんて初めて見た。
「A!!!」
お父様の声が聞こえたかと思うと、私はお父様にかつぎ上げられた。
そのまま走るお父様。
……最後に見たお母様は、鬼に食べられているとこだった。
ドタドタと、後ろからまた門番の方が迫ってくる。
ああ、追いつかれる。そう思ったと同時に、私は門から屋敷の外へ投げ出された。
『お父様!?』
「A!逃げろ!ずっと走って逃げろ!分かったな!」
お父様はそう言って、門を閉じた。
バキバキッと言う音が聞こえる。
嫌よお父様、私に何が残っていると言うの?
必死に門を叩くが、もう化け物の声しか聞こえなかった。
私はフラフラと歩き始める。
自分が何を思っているのかも分からないのに、涙だけは留めなく溢れてくる。
ねぇお父様、これからどうしたらいいの?
私1人で屋敷の外に出たことも無いのよ?
どうしてわたしを逃がしたの?
私も、私も大好きな皆と死にたかった。
なんで…
私はそこで意識を手放した。
.
目が覚めると、そこには綺麗な女の人がいて。
この人に救ってもらったんだと気づいた。
何としてもお礼がしたいと言えば、妹になって欲しいと言われた。
嬉しかった。涙が出るほど。
あの後すぐ、零に会いに行こうとしたけど、新聞で私も死んだことになっているのを知って、会いに行くのを辞めた。
私がいっても、零の邪魔になるだけだと思ったから。
零なら1人で何とかできる。
家族を全て失った私にとって、姉の存在は、とても救われた。
でも、姉さんとの幸せな日々を送る度に、昔の家族の事を思い出すの。
868人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時