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いつものように料理をするAの背中を見つめる。
その姿はいつもどこか楽しげで、本当に料理が好きなんだろうな、という事が伝わってきた。
そして俺は、こうやって晩御飯を作りに来てもらうことを今日限りで辞めようと思っていた。
好きな奴が居るのかと聞いた時のあの反応。
好きな奴は絶対に居る。つくづく分かりやすい奴だと思う。
そんな意中の相手が居るのに、俺が邪魔するわけには行かない。
俺はAの後ろに立つ。
実「A。」
そう呼びかける。
はい、と振り返るA。
本当にすげぇ美人だなァ。
らしくもなく泣きそうになって。
実「俺はァ…」
これで、終わりにするから、
実「お前が好きだァ」
せめて、初恋を伝えてから。
カラン、と、Aの手に持っていた箸が落ちる。
ぼっ、と顔を赤くして俯くA。
実「…」
どっちなんだ。変な期待をさせるのは辞めてくれ。
『…ほ、本気、ですか。』
消え入りそうな震える声で、そう聞いてくる。
実「嘘言うと思うかァ」
Aは相変わらず下を向いたまま、口を開いた。
『……不死川さんに会えるように、時間を選んで甘味処に通っていた、って言ったら気持ち悪いですか。』
実「…どういうことだァ」
もしかして、なんて。
『……私も、不死川さんのこと、大好きです!』
真っ赤になりながらそう言うAを見て、俺は全身の力が抜ける。
俺は咄嗟に横にあった柱に持たれかかった。
まさか
ちゃんとフられてから、関係を切るつもりだったのに。
『し、不死川さん!?』
そんな俺を見て慌てて駆け寄ってくるA。
実「大丈夫だァ、ちょっと緊張が解けて…」
『不死川さんでも緊張するんですか!』
本気で驚いた様なA。
実「お前は俺をなんだと思ってるんだァ」
『すいません…』
そんなAが愛おしくて、そっと抱きしめた。
『不死川さん。その、私達、恋人って事で、いいんですよね?』
腕の中で不安そうに聞くA。
実「当たり前だァ」
『ずっと私の片思いだと思ってたから…』
そんな事を言う。
それはこっちのセリフだ。
俺はもう一度、Aを抱きしめる。
絶対に、手放さないように。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時