糖分2% ページ2
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まぁ、美人だとは思うがそれだけだ。
たまたま美人な奴が、たまたま俺と同じ物好きで、たまたま俺の向かいに座っている。
ただ、それだけ。
普通の男なら幸運な事なんだろうが、正直今の俺はおはぎが食べれればそれでいいのだ。
なのに、
『店主さんから貴方の事をお聞きして、お会いして見たかったんです』
話しかけてきやがった。
面倒臭いので無視をしようか。
しかし、ここの店主はこの女の事をえらく気に入っている様なのだ。
店主に嫌われるとこちらも困る。
仕方ないので俺は最低限の会話をする事にした。
実「そうかよォ」
『はい!…おはぎ、お好きなんですか?』
実「まぁ」
聞かれたことに短く答えていただけだ。
しかしそれでも嬉しかったらしい。
『私も今度食べてみようかな…』
女から自然な笑みがこぼれた。
確かに上品だが、型にはまった上品さではなくて。
なんかこう、ふわっとした上品さ。
実「お前のそれはあんみつかァ?」
『そうです。私も好物なんです。』
そこで会話が途切れる。
店主もいつの間にか奥の厨房に入っていて、
店にいるのは2人だけになっていた。
しかし不思議と気不味くは感じなかった。
俺達は無言で食べ進める。
皿が空になった辺りで、また女が口を開いた。
『あの…お名前、教えて貰えませんか?』
実「なんでだァ」
何故たまたま店で会っただけの奴に名前を教えなければならないのか。
『だって、貴方もここの常連さんならまた会えるかもしれないじゃないですか。…あ、申し訳ありません!嫌なら全然…』
まぁ確かにな。同じ常連でここまで会わなかった方が凄い。
実「てめェから名乗れやァ」
あいにく俺はまだここのおはぎを食いたい。
店主に嫌われるわけにはいかねぇんだ。
すると女はハッとした顔になって、
『そうですね!失礼致しました…
……………
少し間を開けて、そう答えた。
実「月雪、か。珍しいのか珍しくねぇのか、よく分かんねぇ苗字だなァ。」
月雪。あまり聞きたくない名前だった。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時