少女と我々だ！ ページ2
「ハイル、グルッペン！」
「おーよしよし、そうだ！それだぞ！」
「グルさんなにしとん……？」
僕、トントンはありえない光景を見てしまいました。
これは某珍百景番組に出れるレベル。
グルさんこと我が国の総統、グルッペンフューラーが小さな女の子の目の前でしゃがみこんで話している。
隠し子！？隠し子なのか！？
そんなこんなで問題は多いものの、結局一番の問題は女の子が言っている言葉だ。
いや、詳しく言えばグルさんが言わせている言葉。
「ググググググルさん？」
「ん、なんやトン氏？」
少し満足げに瞳を輝かせながらこちらに振り向くグルさん。
その後ろではひょこっと顔を覗かせている女の子。
「その子は一体？」
簡潔かつ素早くそう聞くと少しの間が空いてから返事が帰ってきた。
「親戚の子で、戦争が始まるから預かっててくれって。」
間があったのは誤魔化そうとしたからなのか、誤魔化した結果がこれなのかは分からない。
なんでや、と言おうとすると後ろの女の子が口を開いた。
「ね、ぐる、このこわいひとだぁれ？」
ひらがな表記に聞こえるほど柔らかい言葉が、胸に突き刺さった。
「ふっ、はははははっ！」
グルさんは堪えることもせず、声に出して笑っている。
少なくともこの人よりかは怖くないはずなんだけど、なあ。
ショックを受けつつ目を伏せていると、
「んー、トントンっていう豚さんだ」
「ぶたさ！」
こんにちは！と挨拶してくれるこの子に(ツッコミ所は満載だが)自然と笑顔になる。
「こんにちは、君のお名前は？」
「私！私はねーA！」
自分の名前を誇りに思っているのかふふんっと胸を張って自己紹介してくれる。
我々だの癒しの話
敵国と自国と閉鎖国家 (wrwrd)→←詳しいご注意、のちお知らせ等
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作者名：ぽんずのすのようなもの | 作成日時：2017年7月27日 20時
