消えた彼女ともう一度。【ユーリ!!! on ICE】

第４滑走 ページ6

今はライオコーチ１人だけだけど、去年14の歳の時


元ボリショイ・バレエのプリマ
リリア・バラノフスカヤ

という、バレエ界では知らない人はいないほど有名な人が、私のコーチになってくれていた時期もあった。




「フリーレッグ、だいぶ綺麗にきまってきたな」


「ありがとうございます」


「午後からはバレエのレッスンだ、忘れるなよ」


「はい」




バレエ、という単語を聞けば思い出してしまうリリア先生の指導


あの人の指導は的確で、とても学んでいてためになる事ばかりだった。



そのため、今のバレエの先生では何か物足りない気もする



一体リリア先生はどこに行ってしまったのか




ある日突然リリア先生はバレエレッスン室には来なくなり、代わりに知らない女性がやってきたのを覚えてる





*





この日は午後にバレエレッスンをした後、17時あたりから再びスケート場で練習。


現在コーチは不在…のため、一人でジャンプの練習


実はこの時間が好きだったりする。



私はライオコーチの事が大嫌いというわけではない、寧ろ元・スケート選手という事もあってアドバイスは的確。


私がここまで成長できたのも、ライオコーチのおかげとも思う




ただ、息苦しい時もある




(そういえばキミはジュニアの大会でクワドサルコウ、決めてたっけ)




ふと思い出したのは、随分前に行われたジュニアの大会



キミことユーリの演技を思い出したのだ




もう何年も会ってないユーリ


会いたい…会いたいよユーリ……




奇遇なことに、私とユーリは今年開かれるGPFでシニアデビューをする



もしかしたら会うかもしれない




でも





(会いたいのに、会いたくない……)





矛盾する私の気持ち



それは





感情を宿さないスケーターの、私の演技を見られたくないからだ。

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