消えた彼女ともう一度。【ユーリ!!! on ICE】

第４１滑走 ページ43

結構辛い特訓だけど、心なしか体力が前より出来た気がする



それにそんな毎日もいやではなかった



ユーリが居たからだろうか




それとも、一人じゃなかったから……?





「よし、今日は２人には通して見せてもらおうかな


まずはユリオから、次に勇利、いいね?」





「あぁ」



「はい!!」




初めに滑るユーリは羽織っていたパーカーを私に預け、動きやすい格好に。



ヴィクトルがスピーカーのボリュームを上げると、綺麗な透き通った女の日との声がリンクに響く






曲に合わせて滑るユーリ


まだ無償の愛について答えを出せていないユーリの演技は、色々と改善点が見える




きっとスケートをしていない一般人からしたら、確かにすごいかもしれないけど今の私と同じで、感情がない。




故に心を動かされないスケート







「ﾊｧｯﾊｧｯ」






滑り終わったユーリは息を切らしながらこちらに戻ってくる




「んぅ……『滝』かな?」



「滝ぃ!?!?」





今度は寺ではなく滝へ行くように言われたユーリ




「さぁ勇利、次は君の番だよ」


「あ、は、はい!」





そう言えば勇利も自分にとってのエロス、見つかって無いんだっけ



妖艶な曲、色男というより男をもてあそび捨てる女…の方がこの曲的には合ってそう



でも勇利は男だし、今のままで女だと変な感じがするんだよな…







「勇利はまだエロス見つかって無いのかい??」




演技を終えて戻ってきた勇利にヴィクトルは告げる





「あ…はい…」






Wユーリにはまだまだこのプログラムを完璧にこなすのに、時間がかかりそうだ。



さすが、ヴィクトルのプログラムなだけあって鬼難しそう






「さぁルーナ、次は君の番さ」




「……はい?」




「ルーナにも温泉onICEで滑って貰おうと思ってね」



「いやいや急すぎませんか!?」



「ユリオたちの前で少し滑ってもらうだけだし、大丈夫さ〜!」





なんてのんきに言ってるヴィクトル



一発殴っていいだろうか






「それに、練習だと思えばいい」



「練習…?」




「プログラムコンポーネンツ、上げたいだろう?自分の演技を取り戻すための、練習だと思えばいいさ」





そして続けてコソっと耳打ちしてきたヴィクトルが言った言葉は








『この会場ならライオの目には付かない』








と、告げてきたのだった

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