消えた彼女ともう一度。【ユーリ!!! on ICE】

第３９滑走 ページ41

それから私たちは私の過去を話して、結論を出した




「わかった、ユリオに危害が行くのはよろしくないね

この事はユリオには伝えない」



「ごめん、そうして」



「…にしても、Aの演技にも影響が出てるなんてそれこそよろしくないよ」



「私はいいんだよ、私はユーリや皆を守れるだけでいい

所詮は金稼ぎ道具だからね


何もリンクの上での感情なんかいらなくていいんだよ」





「そんなことない、Aの演技に俺がどれだけ魅せられてきたと思ってるんだい?」




「ﾌﾌｯ お世辞でもうれしいよ

さ、戻ろう?勇利が待ってるし怪しむよ」




「……そうだね」





まぁヴィクトルがライオコーチの知り合いって事もあり、ばれることが不安でもあるけど…





(ヴィクトルならユーリには言わない、絶対に)






その核心だけはなぜか気持ち悪ほどに分っていた









「おまたせ〜〜!」

「勇利〜君の練習をするぞー!」



「あ、はーい!」




ステップの練習をしていたのか、少し離れた位置からヴィクトルの元に滑っていく勇利


何を話していたのか


それを聞いてこない勇利




気を遣わせてしまったかな……




まぁとりあえずは



「私も勉強するか…」




ベンチに座り、愛用のノートとペンをだし

今シーズンやる曲の構成を詳しく自分なりに調べ上げる



なりきれないと分っていても…それでも、なにもしないよりかはマシだろうと思って。





(ユーリだって必死でアガペー掴もうとしてるんだもん、私だって負けてられない)






「えーっと、第８番イ短調はっと…」





ネットで色んな解釈を探しつつ、それと同時進行でモーツァルトの過去についても調べる






「パリで母親の死……」





場所は違うけれど私の両親も死んだ





曲をイヤフォンで聞きながら、先ほど調べた色んな人の解釈を頭に浮かべる





冒頭の主題がフォルテの最強音で演奏される時





(なんだろう…いいようもないモーツァルトの怒りを感じる)





他人の解釈だけでなく、自分の率直な感想もメモ書きしてとどめる



この曲を作っていたのが母親が死んでしまったころだから


母親を亡くした悲しみが反映してるようにも感じるな…




そんなことを思いながらネットで調べ上げると、どうやら



母親が亡くなった事で初めての短調のピアノソナタを作曲した、などと言われているらしい





なんだかこんな自分だからこそ感情を込めやすい曲かも知れない




そう感じた

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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