消えた彼女ともう一度。【ユーリ!!! on ICE】

第２８滑走 ページ30

「はぁ?もう向いてないってどういうことだよ」



「んー…そのままの意味なんだけど?」




「意味わかんねぇ、あんだけ技術があって向いてないって嫌味かよ」


「えぇ!?なんでユーリが怒るのさ?!」



「うっせ、」



「…ユーリが言う様に技術はスケートで大切だけど、もっとあるじゃん?感情とかそういう…


心が無いスケートって一番ダメだと思うの。


本気でスケートを愛してやってる人に、すごく失礼になると思うの」




「お前は本気で愛してないのか?スケート」



「まさか、愛してるよ。大好き


大好きだけど…

でも、いつしかどうしても演技にのめりこめなくなっちゃったの


何度意味を考えて、曲を解釈したところで…それを演技で、体で表現できなくなっちゃった」



「…」




「だから勇利のスケートが羨ましく思ったの

私にない能力をもった勇利と、私と同い年なのにどこまでも進化し続けるユーリ



私は２人のユーリが羨ましい

今回ここに来たのはそんな２人のユーリの対決だから、どうしても自分の目で見たくて来たんだ」






そう言ってからユーリを見ると、すごくムスッとした顔をしていた



知ってる、この顔をするときのユーリは自分の中で納得がいかない時の顏






「ったりめぇだ、俺はロシアのアイスタイガーだぞ?ヴィクトルをも超えるスケーターになる男だ!お前が憧れちまうのもわかるぜ!!って、いいてぇけど


…お前が思うほど、今の俺はそんなやつじゃねぇよ



ヴィクトルから与えられたプログラムと曲



プログラム自体は確かにしんどいけど、出来なくはないんだ




でも、曲の解釈がうまく出来ねぇ




アガペーって無償の愛らしんだけど、俺には無償の愛がなんなのかわかんねぇんだ



俺は母ちゃんから受ける愛を知らない」



「!!」





「俺滑りはヴィクトル曰く欲が出過ぎてるらしいんだ


アガペーは自己犠牲的で非打算的だから、技術を見せつけるものではないってな




アガペーが全然想像出来ねぇし理解できない…俺は、お前にそんなに憧れてもらうほどでもねぇんだ」









そう告げるユーリの目は少し、悲しみを帯びていたのだった

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
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