5話 ページ9
薄暗い地下倉庫。
特務課の管理下であり常人が立ち入ることは決してない。
こつりと足音が一つ響いた
「久しぶりね、安吾。」
「……ええ、お久しぶりですAさん。要件は何でしょう。」
「この私が出向いた時点で分かっているのではないかしら？」
安吾が溜息をつく
「例の件、ですか。特務課も今対応に追われています。これ以上の対策を取る事は現時点では不可能ですよ。」
「不可能、ねぇ。」
外套の裾を翻し、くるりと回る
「不可能、だなんて簡単に言わないでもらえるかしら？」
「ですが、現状打てるだけの手は既に打っています。特区政府及び異能特務課による中王区への警告、軍警への警戒要請、そして……武装探偵社及びポートマフィアへの協力要請。」
間髪入れず、安吾が答える
「そう……そこまで言うのならば良いわ。ただ、全力でやって頂戴。特区は我らの守るべき地。特区の民を危険に晒すことは許されない。」
「ええ、元よりそのつもりです。」
「そう。」
これ以上話すことは無い
互いにそう判断した
「今度こそ『約束』を守ってね。」
すれ違いざまに囁き、立ち去る
安吾の顔は影に隠れ、見えなかった。
.
.
「分かっていますよ、今度こそ守ってみせます。Aさんのためにも、太宰くんのためにも……織田作さんの、ためにも。」
.
「…………僕が、そして皆さんが愛するこの街をあのような者たちの手に渡すなど……僕は絶対に許すことなんて出来ませんから。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅羽(プロフ) - 琉流さん» ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります！ (2021年10月12日 11時) (
レス) id: 163ac7dec9 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです！神ですか？文ストもヒプマイも好きなのでありがたいです！ (2021年9月28日 23時) (レス) @page13 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - チョコクランチさん» そう言っていただけて嬉しいです！何とか同じ世界線でできないかと考えていたらこうなりました(^^)更新頑張ります！ (2021年7月27日 14時) (レス) id: 163ac7dec9 (このIDを非表示/違反報告)
チョコクランチ - 本当に面白いです！！私の場合、どうしても無理なクロスオーバーはトリップにしてしまうのですが、そこで全く新しい設定を作るのは本当にすごいと思います！これからも応援しています！ (2021年7月26日 22時) (レス) id: c04b872133 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - ベルさん» わー！ありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです！学業との両立が難しいため、更新は亀ですが頑張ります！ (2021年6月9日 6時) (レス) id: bb5594eb4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅羽 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yurinohana1/
作成日時：2020年12月29日 21時
