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恋慕 ページ27

パラレルワールド設定





skm side






「蒼弥くん〜?」




「…さくまっ」




「あ、声聞こえた 蒼弥くんどこー?」




「おれここ!」




「あ!見つけた よかったー」







幼い時の夢を見た


代々お付きしている猪狩家の次期当主 蒼弥 様とはたまたま同い年で、誕生日は10日しかかわらない



そんな彼を俺は毎日探してた


自由気ままな蒼弥様はすぐいなくなるから







10歳になった頃、父親から蒼弥様と俺の明確な立場の差についてたくさん言って聞かされた


蒼弥くん なんて呼ぶことはできなくなり、基本的に話す時は全て敬語




当時は変わってしまった接し方に、俺よりも彼の方が嫌がっていたけど、向こうの父親から色々聞かされたようで渋々今の状況に納得したみたいだった






高校生になった時

放課後彼を迎えに教室まで行くが、いない


反抗期に入られたようで家の人全てに嫌悪感を顕にしている




でも、結局俺に見つけて欲しいから探せばすぐ見つかるようなところに隠れてる




図書室じゃないってことは、保健室かな



ほら いた





「蒼弥様」




「……ん」




「帰りましょ」




声を掛ければすんなり動いてくれる







帰り道、よく聞かれたこと




「…作間はさ、その 彼女、いんの?」




「いませんよ」




「なんで?」




「家の規則です お仕えする主人が成人するまでは色恋なんてできません。」




最初は いない とだけ答えていたけれど、何度も聞かれるものだから家に伝わる規則について話した




この時、蒼弥様が悲しそうな顔をした理由は今でもわからない







『龍斗、聞いてるの?』




「あ、なに母さん」




『会場内ではある程度好きにしていいけど、行きと帰りは2人でしなさいね』




「わかった」






そう 今日は成人式当日







俺の任期が終わる日。








「お似合いです」




「ん、ありがと」




祖父から代々譲り受けたというグレーのスーツに身を包み、衣装部屋から出てきた蒼弥様




「ネクタイ、少し直しますね」




ネクタイ結ぶのが高校の時から苦手らしく、毎日俺が微調整していた




「行きましょう」



こくりと頷き歩き出した彼の一歩後ろをついて行く




会場に着くと入り口近くでたむろしてるのは見知った顔ぶれで




『おー!猪狩、作間 久しぶり』




高校時代ヤンチャしてたとは思えないほどしっかりとスーツを着こなした友人

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作者名:あいと | 作成日時:2022年9月29日 23時

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