ホンキス*2 nino (ページ4)

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39.ほんのちょっと　*10/8 ページ4

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「なにを言ってるんですか…」

そんな風に笑って、なにを言ってるんですか。

二宮さんは、「ふふっ(笑)」って、笑うだけ。

これ、だから。
冗談としか
からかってるとしか、思えないんだ。

だって、思い出してみてよ。
「キス、してよ？」だよ？

初対面で酔っ払いな相手にそんなことを言っちゃう人、だよ？
未知なる生物なんだ。

私が『いつもと、違う』なんて思った笑顔だって。
未知。
私が見たことない顔が当たり前の人なんだから。

「ほら、ニノさんもカノジョさんも、行くよっ！」

いきなり相葉さんの彼女に背中を押されて歩き出す。

「ち、違いますっ！」

また、カノジョって呼ばれた…もう。
暗示にかかってしまいそうだよ。

「また即答かよ。ちょっとは、考えなさいよ(笑)」

「即答ですよっ！」

「残念(笑)」

絶対に楽しんでる。
このやり取りを。

「ニノさんもカノジョもとことん付き合ってもらうからね？」

相葉さんの彼女にがしっと掴まれて、次の店に向かう。

「……だから、違うって……」

何回も言ってるのに。

私の話を誰も聞いてくれないまま、次の店につれて来られてしまった。
なにやってんの、私。

『じゃあね、また』までの時間が、ほんのちょっと延びる。

ほんのちょっと、だけ。