ホンキス*2 nino (ページ23)

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58.素敵な肉料理　*11/5 ページ23

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「……A？」

ぐちぐち、グチグチ。

ぐちゃぐちゃ、カツカツ。

「……ちょっと！Aってばっ！」

え？

あれ？

「え？」

目の前にはミカ。
ミカと私の間には……ハンバーグプレート？

「ハンバーグがかわいそうよ？(笑)」

あ、ランチで日替わりのハンバーグプレートを頼んだんだっけ。
そういえば、そうでした。

プレートの上のハンバーグに刺さる、私のフォーク。

「……あっ……」

ふんわりふっくら焼き上げられたハンバーグが
無残にも私の無意識なフォークで
悲惨なことに。

あらら。

こねられて焼かれてふっくらとした形を成したハンバーグが

「……ひき肉に戻ってる(笑)」

「ほんと、ハンバーグもコックさんもかわいそ(笑)」

ちゃんと食べます。ごめんなさい。
フォークをスプーンに持ち替えて、プレートの上のライスと元ハンバーグをすくった。
うん。
味は、変わらない、と思う(笑)

「おいしい」

「食感かなり変わってると思うけどね(笑)」

私が無意識になってる間に、ミカの食事はかなり進んでいて
かなりの時間ハンバーグをいじってたんだなって、思った。

「なんか、悩み事？(笑)」

そぼろ状になったハンバーグを必死にスプーンですくって食べる私に
そう言ったミカ。

なっ！！
悩み事っ！！

「なっ…な、な、なや…っ？！」

意味不明すぎるー…。
動揺しすぎてるー…。

「ぶはっ(笑)もう、口の周り(笑)」

く、口の周り？

とっさに手の甲で口の周りを拭うと、べったりと……
てかてか光る油とともに、米やら肉やら……

「えへへ……」

手にこれだけ色々ついてくるくらいだから？
私の口元は、相当にてかてかしていることだろう。

もう、間抜けな返事しかできない。

悩み事？
悩んでるの？私。

悩みとは、違うかも。
考えてる。

この前二宮さんに送ってもらってから。
ずっと、考えてる。

でもさ？
これって、ミカに言える事じゃ、ない。

「なんにも、ないよ？」

「そ？」

ミカは、きれいにハンバーグとライス(これね？ご飯じゃなくてライスだと思う)を
口に運んだ。

さりげなく髪を耳にかけるしぐさが
女の私から見ても色っぽいんだ。

てかてかな口のまま
何とかハンバーグプレートを食べ切って

自分なりに二宮さんが言ったことを

二宮さんを＿＿＿＿＿考えてる。