ホンキス*2 nino (ページ21)

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56.ぶるぶる…N　*10/30 ページ21

幸せそうな顔してさ？
一人でいいたいこと言って、オレは、放置でさ？

なんか、むかつくね。

相葉さんの頭をぽこんと叩く。

「うふふ(笑)」
気持ち悪ぅ(笑)
声に出して笑いながら、寝てるんだもんな。

「……まっすぐ、ばかって…すげぇよな」

この人みたいに、ちゃんと道筋たてて
行動も思いも？

「……この人みたいに、なれる訳、ねぇじゃん(笑)」

恋愛感も人生観も。
この人みたいになれる訳、ないよ。

もう一回ぽこんと相葉さんの頭を叩く。

「……んーっ……」

もぞもぞとは動くけど、起きねぇな(笑)

「もうちょっと、待ってみるか」

この人抱えて帰れるほど、オレ体力ないしね(笑)

もう一本タバコを出した。

けっこうな付き合いの相葉さんがさ。

今回。
Aちゃんに対してのオレが
『素直』だって、言うんだからね？

「もうちょっと、待ってみましょうか(笑)」

いろいろと、待ってみようか。

とんとんとタバコのフィルターをカウンターに落とす。
これ、おっさん臭いなって思ってたのに(笑)
いつしかすっかりクセになってる(笑)

「ほんと、気持ち良さそうに寝てんなぁ」

弄んでたタバコに火をつけようとライターに近づけた時
隣の人のケツポケットからぶるぶると振動がする。

「……んーっ……」

ケツ、モゾモゾすんのね(笑)
その振動は何回も続いてた。

「ほら、電話じゃねぇの？」

ケツの振動にもぞもぞと変な動きをするのに起きない相葉さんの肩を揺すった。

「ほら、相葉さん？電話……っ！」

いきなり起き上がるなよ。
タバコに火がついてたら、一大事だぞ(笑)

がばって起き上がった相葉さんが、
まだ、寝ぼけてるんだろうね(笑)

「電話…でんわ…」

つって、カウンターの上に手のひらをパタパタと這わせて
電話を探しているらしい。
メガネ、メガネのコントかよ(笑)

「ケツ！」

「ふぁ？……あ、ああ！電話っ！」

ようやく頭が回転をし始めたらしいね。
起動おそっ！(笑)

ケツポケからスマホを取り出して、通話を開始する。