52.くやしいなぁ…N *10/27 ページ17
「ニノって……意外にバカだよね……」
「アナタにばかって、言われたくないわ(笑)」
ばかは、アナタの専売特許でしょ？(笑)
なんとなく飲みながら
なんとなくつまみながら
ここ最近の状況っての？
ぽつぽつと語ってた。
オレの話よりもハムカツに夢中で
いつもどおりにから揚げを二つ一気に頬張ってた相葉さんに
ばか…って、言われた(笑)
「ほんとに、そんなこと言ったの？」
「そんなことって？」
オレの話のさ？
どこにそんな疑問に思うところがあるかな？(笑)
「キスの相性のくだりだよ」
ビールのおかわりを注文しながら、せわしなく枝豆を口に入れて
もごもごと…話し出す。
「ん？」
「だから！！」
聞こえてるよ(笑)
聞こえてるけどさ？(笑)
一拍置いてみたかったのよ(笑)
「キ…っ…」
ほら、ボリュームがばか。
必要以上におっきな声でけっこうなワードを言いそうな相葉さんの口を押さえ込んだ。
「なっ…に、すんだよっ！！」
口を押さえてた手を払い落とされた(笑)
「苦しいだろーが！」
「大げさだな(笑)」
「けっこうな力で抑えてただろ！」
まあね。
アナタの声が漏れないようにするには、さ？
「大げさだな(笑)」
それなりの力で抑えたけどね。
男同士の会話でキスとか？
恥ずかしいわ(笑)
「大げさじゃ、ねぇわ(笑)」
横でわざとらしく肩で息をしてる相葉さん。
大きく深呼吸して、ビールを飲みながら
「でもさ？」
声のトーンも普通に戻って
ゆっくりとオレのほうを見た。
「なんか、いい感じ？」
「は？」
この人オレの話を聞いてたのかな？
いい感じの話だったか？(笑)
レモンハイを一口。
「は？」
もう一回確認してみた。
「ふふっ(笑)……ニノが、素直で、なんか可愛い(笑)」
なんすか。
なんなんすか(笑)
急にお兄ちゃん感出してきやがって。
「それは、どうも」
なにがどうもなんだか(笑)
ちょこっと上から目線な相葉さんもなんだかな、なんだけど。
この人に言われたことが、妙にはずかしい。
なんだ、この…解られてる感。
くやしいなぁ(笑)
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作者名：ゆりね
| 作成日時：2014年10月6日 8時
