第9話｢イヤな音｣ ページ13
shp視点
トントンさんたちが出ていくのを確認して一息つく
｢なんだか、緊張してしまいました。まさか、Aという名前をつけてもらえるなんて思ってもいませんでした。｣
そう独り言のようにつぶやくとこちらの方を見た
shp｢そういえば、自己紹介まだでしたね。はじめまして、ショッピって言います。よろしくお願いします。｣
彼女の目線と同じ高さにしゃがみながら自己紹介すると、彼女はあたふたしていた
｢えっと、A…です。よ、よろしくお願いします。｣
初めてなのか顔が少し赤く感じる
他の人より早く自己紹介できたのを優越感に浸っていると彼女の方から言葉が聞こえてきた
｢あ、あの。ショッピさん、私の足元にいる人は誰ですか？｣
shp｢あぁ、この人はロボロさんって言ってこの基地の医者みたいな人です。｣
冷静を装いながら喋るが、いきなりさん付けで呼ばれるとは思っていなかった
｢そうですか。あれ？この音。｣
そういうと扉が勢いよく開いた
ut｢ち、チーノちょ待って！あとでもええやんけ。｣
cn｢俺は、今会いたいんや！｣
息を切らした大先生とチーノさんが医務室に入ってきた
ってか、ここ医務室やんな？なんでみんな勢いよく入ってくるんや？などを考えながら2人を少し睨む
ut｢ほれみろ！ショッピくんむっちゃ怒っとるやんけ！｣
cn｢そないな事言われても！ショッピくんごめん！｣
shp｢俺やなくて、Aちゃんに謝ったらどうっスか？｣
ハッとしたように2人はAちゃんに頭を下げる
｢い、いえ。私は大丈夫です。｣
安心したように2人が息を着く
ut｢チーノ、やることあるんとちゃうか？｣
cn｢あ、せや！｣
そういうとチーノはAちゃんの方に向き言葉を発する
cn｢はじめまして、チーノって言います！よろしくな！｣
チーノがAちゃんに近づくと首からかけていた金色の美しい｢それ｣はAちゃんに近づいた
｢針の、音？｣
そうAちゃんは一言言うと青ざめて怯えたような表情を僅かながら浮かべる
｢い、イヤだ！！近づかないで！！その音は…………イヤっ！！！｣
チーノが近づくことを強く拒絶し、手で耳を塞ぎこむ
その姿はどこか”なにか”に怯えているようだった
ut｢チーノ、とりあえず離れよか。｣
大先生がチーノの肩を持ってAちゃんから離れさせる
cn｢は、はい。なんかごめんな。｣
｢いえ、ただ私はその音が苦手なだけで。｣
Aちゃんが指さす方向にはチーノの懐中時計があった
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作者名：ゆりな@ぼっちオタク | 作成日時：2019年8月13日 11時
